日本の民主党が、首相の靖国神社参拝反対の理由に掲げた「憲法の政教分離原則への抵触」という内容を、09年版政策集から削除したと、朝日新聞が16日付で報じた。
日本の憲法は、国家および国家機関の宗教活動を禁止しており、宗教施設である靖国神社への首相の参拝をめぐり違憲論議があった。民主党はこれまで、違憲を主張してきたが、総選挙で政権を獲得する場合、公式参拝を条件付きで認めてきた政府の従来の方針に反するという党内の指摘により、これを削除したものとみえる。
民主党は、01年8月の首相の靖国神社参拝に対して、△A級戦犯合祀の場で(公式参拝は)過去の戦争への反省をないがしろにする、△政教分離などを定める憲法第20条に反する、として反対してきた。民主党はその後、毎年、政策集でこの方針を維持してきたが、先月発表された09年版政策集では、憲法関連部分が削除された。首相になっても靖国神社に参拝しないと明らかにした民主党の鳩山由紀夫代表も最近、記者会見で、参拝の反対理由を問う質問に、A級戦犯合祀のみを言及しただけで、憲法に抵触するとは答えなかった。
日本政府は85年以降、首相の神社参拝を条件付きで認めてきた。本殿と社頭で一礼するような方式なら、社会通念上、憲法が禁止する宗教活動に該当しないと判断したのだ。これは、当時の中曽根康弘首相が、首相として初めて靖国神社参拝をする直前に諮問機関から得た結果だ。
このような状況で、違憲事由を強調し続ける場合、政権獲得後に国会やメディアの注目を引き、政権運営に重荷になるというのが民主党の判断だ。また、民主党内でも、靖国神社参拝を主張する幹部も多く、違憲性を指摘し続けることが負担になったという声もある。
15日、小泉純一郎、安倍晋三元首相や、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属議員約30人が靖国神社を参拝した。参拝者の中で現職の閣僚は、野田聖子消費者行政担当相だけだった。
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