「風の息子」こと梁容銀(ヤン・ヨンウン、37=テーラーメード)が3月、米プロゴルフ・ホンダ・クラシックで初優勝をした時のことだ。当時、彼は、テレビカメラをしきりに意識し、ウィンクしたり、指で「ハート」を作るユニークなジェスチャーをして目を引いた。その理由をたずねたら「妻のためだった」とこたえた。バーディを奪うか見事なプレーにカメラのレンズが集中して向けられたとき、遠くでテレビを見ながら応援しているはずの妻、パク・ヨンジュ氏(35)を楽しませるためだった。
梁容銀は17日に閉幕した全米プロゴルフ選手権でアジア人としては初めてトップに輝いた時、頭のてっぺんから足の先まで白色尽くしで視線を集めた。コーディネーターは他ならぬ妻のパク氏だった。3ラウンドまでテレビで観ていたパク氏は、最終日、直接コースに出向き、赤いTシャツを着るタイガー・ウッズ(米国)に立ち向かえという意味で白いTシャツとパンツを用意した。そのような妻に梁容銀は、トロフィーを捧げて感激の涙を流した。
日ごろから梁容銀は家庭的な性格で有名だ。1999年、結婚した後、厳しい経済事情で借家の地下部屋を転々としながら苦労したため、家族への思いが格別だ。苦しくて夢を諦めたくなる時もあったが、その都度、妻と3人の息子を思い浮かべた。2ヵ月前、米西部のパルム・スプリングスからダラスへ引っ越す時も、子どもの教育を考慮し、学校から5分のところの家を選んだ。
ベストスコアが76打であるほどゴルフが上手なバク氏は、本紙との電話インタビューで、「夫と、いつも何かの目標にむかって一緒に歩んでいこうと覚悟を決めている。このような大変なことが起きるとは知らなかった」と話した。「妻が作ってくれるミソチゲとキムチチゲを食べないと、元気が出ない」と言う梁容銀は、「苦しい日も多かったが、妻がいつも一緒に居てくれた。家を空ける時が多くて、一人で3人の息子の世話をしている妻に申し訳なかったが、良いプレゼントをあげられたようだ」と話した。
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