北朝鮮弔問団が先月23日、李明博(イ・ミョンバク)大統領を表敬した席で、北朝鮮に抑留されていた「800ヨンアン号」の船員の解放を先に提案したという。
1日、与党関係者によると、先月、金大中(キム・デジュン)元大統領の国葬の時に訪韓した北朝鮮弔問団の金己男(キム・ギナム)労働党秘書が、大統領府で李大統領を表敬し、非常に丁重な態度で、「ヨンアン号は希望する日時に解放する」と述べた。当時、大統領府は、弔問団の表敬で、ヨンアン号解放などの細部の懸案については言及がなかったと明らかにしていた。
金団長の提案に対して、李大統領は「ヨンアン号の解放を、恩恵を与えるように処理せず、国際法に則って公正に決めてほしい」という態度を示したという。これは、北朝鮮がヨンアン号の解放を機に、別の要求をしてくる可能性を事前に遮断したものとみえる。
そして、李大統領は、「私は、過去の10年間だけでなく、その前の20年間の政権とも違う。この点を金正日(キム・ジョンイル)総書記に明確に伝えてほしい」と強調したという。先の10年間、金大中(キム・デジュン)元大統領、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領政権時代に論議となった一方的支援の対北朝鮮政策や、それ以前の政権の強硬一辺倒の政策とは違って、北朝鮮問題に対しては柔軟かつ原則を守るという点を明確にしたのだ。
特に、李大統領は、南北関係正常化のためには北朝鮮が核放棄を決心しなければならないという点をソフトな口調で何度も強調し、弔問団が大統領府を出た後も、参謀を通じて、会談の結果に対する金総書記の返答を知らせるよう、金団長らに求めたという。
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