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[オピニオン] 国旗への愛情

Posted September. 12, 2009 08:55,   

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2001年の同時多発テロによって崩壊したニューヨークのワールドトレードセンター(WTC)の南側のドイツ銀行のビルには、「われわれは決して彼らを忘れない」という文が書かれている大型米国旗「星条旗」が掲げられている。ワシントンのスミソニアン博物館には1814年の米英戦争当時、英国軍の砲撃によって火炎に包まれたボルチモアのマッキンリー要塞ではためいた星条旗が展示されている。フランシス・スコット・キー弁護士が当時の感激を記した詩、「星が光る旗(The Star−sPanglede Banner)」は、米国歌の歌詞となった。

◆国旗を愛することで有名な米国人は第1次世界大戦中、ほとんどの州で星条旗保護法を制定した。1968年には星条旗への冒涜を処罰する内容の連邦法も制定され、ベトナム戦争への反対デモの際、星条旗を燃やした人が初の処罰対象となった。しかし、1989年、連邦最高裁はロナルド・レーガン政府による対外政策への抗議のしるしとして星条旗を燃やした容疑で逮捕されたグレゴリー・ジョンソンの行為は、修正憲法第1条の保護対象だと判決した。連邦議員らは新たな「星条旗保護法」を可決させたものの、再び違憲判決が言い渡された。星条旗を大事にする国民精神と、自分の意思を自由に表現できる市民の権利が衝突した例と言えよう。

◆広告チラシに太極文様を描き入れたり、店のPR目的で大型太極旗(テクッキ=韓国国旗)を掲げたりするなど、太極旗を営利目的で使う行為を禁じる内容の首相訓令が実施に入った。出版する本に太極旗を描きいれて、あたかも国から認証を受けたかのようにPRしたり、広告チラシに太極文様を利用する行為も禁止の対象となる。ファストフード会社などでの使い捨てティッシュペーパーやカップなどに太極文様を活用したり、床に敷いて座る座布団に太極旗を入れてもだめだ。

◆02年のワールドカップの際、レッドデビルと市民の手によって華やかに生まれ変わった。太極旗を切って作った袖なしTシャツや太極旗を折りたたんで作ったスカートや太極旗のマントも登場した。神聖な太極旗が生活や芸術として身近なものになるのは歓迎すべきことである。われわれの太極旗は、亡国の影が迫っていた大韓帝国の末期に生まれ、独立運動の正気や韓国戦争から国を守った愛国の魂が宿っている。わざわざ首相訓令を出さなくても、太極旗に宿っている先祖の国を愛する精神を肝に銘ずるべきである。

朴成遠(バク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com