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[オピニオン]ピッツバーグのメッセージ

[オピニオン]ピッツバーグのメッセージ

Posted September. 23, 2009 07:24,   

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都市にもメッセージがある。24日と25日、金融サミット(G20)首脳会議が開かれる米ピッツバーグには、「錆びた地帯(Rust Belt)から21世紀の先端産業都市に」という説明がつきまとう。ピッツバーグは「世界の鍛冶屋」を自負したが、1世紀前の産業構造の変化や新日本製鐵、ポスコなどの追撃に押され、錆びた鉄の都市に没落した。しかし、再び立ち直った今は、医療や教育、研究開発やグリーン・テクノロジーなどのハイテク・イノベーションの中心地に生まれ変わった。首脳会議が開かれるコンベンションセンターは、世界初の最大のリード(LEED=エコビルの認証)建築物として知られている。オバマ米大統領はグローバル危機をチャンスととらえ、ピッツバーグのように生まれ変わるべきだというメッセージを伝えたかったようだ。

◆自動車産業と共に衰退するデトロイトも、ピッツバーグのように復活を果たすことができるだろうか。オバマ大統領がピッツバーグをG20の開催都市に発表した今年6月、ニューズウィーク誌は「とんでもない」と評した。ピッツバーグは、デトロイトのジェネラル・モーターズのように、政府による介入や支援金を受けて変身したわけではないからだ。時代は変わったのに、いつまでも「強気の姿勢」や「労組主義」だけに頼っているわけにはいかないことに気づいた住民らによる変化が先に起きたのである。

◆ピッツバーグには、鉄鋼王アンドリュー・カーネギー氏が設立したカーネギーメロン大学と由緒のあるピッツバーグ大学があった。教育だけが活路だと信じたピッツバーグの人々は、これらの「地方大学」に魂と資金をつぎ込んだ。2つの大学が研究中心の一流大学に跳躍し、その周辺の35の大学から7万あまりの研究開発の雇用が生じた。彼らの頭脳に狙いをつけた情報技術や生命工学技術企業が駆けつけた。この30年間、カーネギーメロン大学から派生した企業は200社を超える。20年前までは地方病院に過ぎなかったピッツバーグ大学・メディカルセンター(UPMC)は、今は10万人を雇用するグローバル医療サービス機関となった。

◆ピッツバーグの人々は、自分自身と共に都市を生まれ変わらせた。1980年代、鉄鋼工場から解雇された労働者が、後で大学で医療技術を学び、UPMCに就職するやり方である。自力で立ち上がった経験を持っており、今もピッツバーグの失業率(7.8%)は、全米(9.4%)より低い。ひとつの都市が蘇るのには、中央政府による大々的な支援や行政機関の人為的な移転より重要なものがあることを、ピッツバーグは物語っている。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com