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[オピニオン] 金日成家族共和国

Posted September. 26, 2009 07:51,   

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北朝鮮は1972年の7・4南北共同声明採択の3ヵ月後、新たな社会主義憲法を制定し、金日成(キム・イルソン)内閣首相(当時)を「国家主席」に推戴し、「首領絶対主義」と呼ばれる唯一指導体制を確立した。東西陣営のデタントという国際政治の環境の変化の中で、独裁の強化だけが権力維持の安全弁になると判断したのだろう。北朝鮮が今年4月に改正した憲法では、金正日(キム・ジョンイル)総書記を「国家事業全般を指導する最高指導者」と規定し、「永久主席」と敬う金日成と格を合わせたと、米自由アジア放送(RFA)が報じた。名目上、国家元首だった金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長は、今回の改憲で金総書記の下にさがった。

◆新憲法は、国防委員会を「国家の重要政策を立案する機関」と規定し、「共産主義」を抜いて「先軍思想」を明記した。金正日総書記が権力を握った後に掲げた先軍統治イデオロギーが、父親の金日成主席の「主体思想」とセットになった。社会主義最後の砦を自任する北朝鮮が、共産主義の代わりに先軍思想を前面に押し出し、兵営国家であり、軍事共和国であることを示した。北朝鮮の権力は、銃口から生まれると宣言した格好だ。

◆先軍政治の至上目標は、「金氏朝鮮」の「家族共和国」の維持にある。最近、3男の金正雲(キム・ジョンウン)を「万景台(マンギョンデ)の血統を引き継ぐ青年隊長」と明記し、「将軍福、大将福を享受する民族の栄光」を賛美した宣伝ポスターが外部世界に披露した。金総書記は01年10月、オルブライト米国務長官と会った席で、「タイは強力な伝統的王室体制を維持し、長い間激動の歴史の中で独立を守った」として、タイ王家に関心を示した。王朝を作ろうというなら、北朝鮮の国号から「民主主義人民共和国」を抜かなければならないだろう。

◆全世界の社会主義の歴史上、代々権力の座を継承した政権は北朝鮮のほかになかった。金日成家族の世襲独裁を支えるために厄介な社会主義理念よりも、軍隊と銃刀にしがみつかざるを得ないのが北朝鮮体制だ。北朝鮮が、2012年の金日成誕生100周年を前後して3代にわたる後継体制を完成した後も、「先軍政治」から伝統的社会主義体制に戻ることは難しそうだ。

朴成遠(パク・ソンウォン)論説委員swpark@donga.com