政府の公共機関運営委員会は6月に92の公共機関長に対する経営評価を行い、韓国消費者院など4つの機関長に対する解任を建議した。土地公社や住宅公社、石炭公社など17機関は、警告処分を受けた。もう一度警告を受けることになれば、解任建議される。李明博(イ・ミョンバク)政府は、公企業を巡る改革ペースを引き上げるため、機関長への評価制度を導入したものの、公企業の経営者らは労組による強い反発や、役員・従業員らのモラル・ハザードが慣行と固まっており、改革は難しいと訴えている。多くの天下り経営者らは労組と対立するよりは、法規に反する裏契約を交わし、持ちつ持たれつの関係を保ったまま、任期を終える。
◆ジェネラル・エレクトロニック(GE)出身で、昨年9月の公募で仁川(インチョン)港湾公社の社長となった李采郁(イ・チェウク)氏は、公企業の組織文化について、「仕事の多い人は不満をぶちまけながら仕事をし、仕事の少ない人は何もしようとしない」と、あたかも共産党のようだと語った。能力に応じて働き、必要に応じて分配すると約束した共産諸国は、ほとんど滅びたものの、共産党のような文化を持つわが公企業はびくともしない。その生存秘訣は、ほかならぬ強行闘争を通じた機関長馴らしである。
◆通貨危機の中で任期を開始した金大中(キム・デジュン)政府は当初、構造調整の必要な公企業は全て民営化させると主張し、「セール・コリア」政策を掲げた。11企業を民営化対象と選び、このうち8企業を売却した。しかし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府は、公企業の政策方向を完全に変えた。残りの3社の民営化を諦め、かえって公企業の規模を拡大した。公企業の民営化が後退したのは、声高に主張する公企業の労組のためである。盧武鉉政府は、頭に赤い鉢巻をまいた公企業労組とは同じ仲間だった。
◆公企業には「労」はあるが「使」はない。公企業ではなく「労営企業」だ。韓電(ハンジョン)ネットワークなど3つの公企業の最高経営者(CEO)を歴任したソ・サヒョン氏は、「社長を除き、労組と対立できる人は一人もいない」と話す。実際は労組と談合し、違法的な団体協約を交わすところがより多い。根拠のない手当の支給や子会社に配属変えされた職員への名誉退職金支給など、公企業のばら撒き事例は目も当てられないほどだ。李明博政府は、公企業の改革を公約として掲げたが、どこまで推し進めることができるのか、見守らなければんらないだろう。
朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com