リビアの最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐が28日(現地時間)、米CNN放送の「ラリー・キング・ライブ」に出演し、北朝鮮の核問題についての見解を明らかにした。氏は、「北朝鮮とイランの核プログラムが核爆弾と核兵器製造のためのものなら、我々はこれに反対する」とし、「必ず廃棄されなければならない」と述べた。北朝鮮は、2回目の核実験を実施した後、核の軍縮を主張し、核保有国のように振舞っているため、カダフィ氏の発言は核放棄を促したものに他ならない。リビアは03年、自発的に核放棄した。氏、金正日(キム・ジョンイル)総書記に「私を見習え」と忠告したわけだ。
◆カダフィ氏のCNN出演は、先週、国連総会の演説を機に実現した。国連憲章のコピーを破るパフォーマンスまで披露し、安全保障理事会を攻撃した。1時間40分のワンマンショーだったという非難が殺到したが、カダフィ氏は総会での演説を自分の哲学と政策を表明する場として100%活用した。CNNも氏のニュース価値を買ったから、1時間もの対談番組に招いたのだろう。
◆各国首脳の国連総会出席は、会員国に与えられた権利だ。今年の国連総会には、120ヵ国の首脳が出席した。国際社会と対立している国の指導者らも、国連で積極的に活動する。イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領も総会に出席し、国益守りに乗り出した。それにもかかわらず、北朝鮮は、朴吉淵(パク・ギルヨン)外務次官を代表として送った。北朝鮮が世界最大の外交舞台の国連を活用できずにいることは当然ながら、世界的な悩みの温暖化についても、何ら関心がないようで残念でたまらない。
◆金総書記は4月、憲法の改正で権限がさらに強くなった。北朝鮮で憲法は飾り物に過ぎないが、金総書記は「最高領導者」の肩書きを得た。それによる責任も、少しは重くなっただろう。国の権力を一手に握っている指導者が、国連総会には全然顔を出さない。哀れな国民には大きな態度を見せ、国連の舞台に出て外交戦争をするだけの度胸や能力は持っていいないのではないだろうか。勇気ある者のみが変化することができる。金総書記が国連に近寄らないことを見ると、「井戸の中の蛙」の状況から脱し、変化する日が来そうにもない。カダフィ氏は、いろいろな面で金総書記と比べられる。
方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com