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[社説]判事の任用に根本的な問題がある

[社説]判事の任用に根本的な問題がある

Posted November. 12, 2009 09:14,   

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国会ローテンダーホールを占拠した民主労働党の党役員12人に対する公訴を退いたソウル南部地方裁判所のマ・ウンヒョク判事の運動圏経歴に社会的な関心が注がれている。彼は大学時代の1987年、正統マルクス・レーニン主義を信奉する「仁川(インチョン)地域民主労動者連盟(仁民労連)」の結成に主要メンバーとして参加した。その後、進歩政党の立ち上げと活動に深く関わり、大学卒業10年後に司法試験に合格し、00年大邱(テグ)地方裁判所・予備判事に任用された。

仁民労連は、自由民主主義体制の転覆と社会主義労働者の革命を目標とし、労働者に「共産党宣言」を教え、ストを督励する地下活動に尽力した。マ判事は、韓国社会主義労働党の立党と進歩政党の統合推進にも重要な役割を果たし、雑誌や大学構内紙などにマルクス主義を宣伝する原稿を寄稿した。大学卒業後も長い間、社会主義運動勢力と深い付き合いを続けた。

もちろん、大学時代の一時期に運動をしたとしても、卒業後は変わって社会各分野の発展に大きく貢献したり、健全な市民として生きていく人も多い。金文洙(キム・ムンス)京畿道(キョンギド)知事のような場合も、左寄り運動圏の主要人物だったが、今は「健康な保守」として、京畿道知事を務めている。かつて、軍事独裁政権の時のように反政府・反体制活動の前歴者だと言っても、最初から判事の任用から除外するのは正しくない。

しかし、判事の任用の際、判事としての職業倫理や資質、理念的・政治的偏見の有無などを厳しく検証し、適格性を判断するのが欠かせない。大韓民国の正統性と憲法を否認する活動を行った経歴があり、その考えを変えていなかったら、判事任用の際に選り分けるのが正しいと思う。

判事は責務の特性から、政治的な対外活動に厳しい制約がつきものであり、政治的中立を遵守しなければならない。マ判事の場合、物議をかもした公訴棄却の判決や魯会燦(ノ・フェチャン、元民主労働党議員)進歩新党代表の講演会に出席したことを見ると、過去の極左運動圏とどの程度精神的な距離を置くようになったのかについて、疑問を持つようになる。

司法府では、これまでの判決や不適切な振る舞いで、物議をかもしたにも関わらず、憲法と法律に定められている判事の身分保障のため、辞任させられない例がたびたびあった。だからこそ、判事任用の手続きは厳格かつ慎重に進められるべきである。新規判事任用の手続きをパスした判事であっても、不適格が明らかになれば、10年に1度ある判事再任用制度を活用してでも、除外しなければならない。