先月15日、米国は6歳の男の子のために大騒ぎとなった。コロラド州フォートコリンズに住むファルコンという少年が、ヘリウムガスを注入した熱気球に乗り、行方不明となったという届出が寄せられたのである。空には本当に熱気球が浮いていた。この熱気球の移動経路はテレビで2時間も生中継され、デンバー国際空港が閉鎖された。結局、米防衛軍のヘリが出動し、熱気球を見つけたものの、中に少年はいなかった。その時間、少年は両親からの指示を受け、屋根裏部屋に隠れていた。
◆「熱気球少年(balloon boy)」と呼ばれるこの出来事は、マスコミに放送されたかった両親による自演自作であることが分かった。少年の両親は、ハリウッドの演技教室で出会い、妻を取り替えて生活する「ワイフ・スワップ」というリアリティーショーにも出演した。警察は、この夫婦を、青少年を利用した公務執行妨害の容疑で起訴する予定だが、彼らは最高6年の懲役と50万ドルの罰金の判決を受けかねない。分別のなかった両親は高額の代価を支払わされることになった。
◆わが国でも、航空会社や119救急隊を対象にした脅迫電話やいたずら電話が頻発している。茶目っ気の小学生や若者らが主にやっている。韓国空港公社によると、今年1月の1ヵ月間だけでも、爆破の脅迫電話が11件もあった。この3年間、119への通報電話の77.4%がうそやいたずら電話、あるいはかけ間違いの電話だったという国政監査の資料もある。これにより、08年だけでも4万8210回も火災出動を行った。これによる経済的損失は38億ウォンに上る。
◆裁判所が今年1月、大韓空港に対して2度に渡り、「航空機を爆破する」といういたずら電話をかけた中学生の両親に対して1500マンウォンの損害賠償の判決を下した。両親は、「分別のない子供がしたことなのに、ひどいではないか」と主張するかも知れないが、事情はそう簡単ではない。脅迫電話を受ける瞬間、航空機の離着陸は禁止され、乗客の体や所持品を一つ一つ捜索しなければならない。その間、数多い飛行機が延着し、航空券まで払い戻さなければならない。青少年だという理由で、甘い処罰を行うのも、脅迫性のいたずら電話を追放できない一因になっている。米国ではこのような事件が起きれば、最高10年の懲役や50万ドルの罰金に処される。学校や家庭の中でいたずら電話の弊害について、児童・生徒らに対して教育を行う必要がある。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com