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[社説]ソウル大学の法人化は「世界大学」に躍進できる踏み台だ

[社説]ソウル大学の法人化は「世界大学」に躍進できる踏み台だ

Posted December. 09, 2009 09:29,   

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ソウル大学を法人化する法案である、「国立大学法人ソウル大学の設立や運営に関する法律」の制定案が昨日、閣議で議決された。まだ、国会における可決の手続きが残っているものの、政府はソウル大学の法人化の時期を11年3月と見積もっている。ソウル大学を始め、国立大学を巡る法人化作業は1995年に開始されたものの、国立大学による反発が足かせとなっている。日本は韓国の国立大学を巡る法人化の動きに刺激され、00年から本格的な推進に乗り出し、04年、全国立大学を巡る法人化作業を済ませた。我々が先にスタートしたのに、日本より一段と遅れているわけだ。

ソウル大学の設置令によると、ソウル大学は教育科学技術部(教科部)長官の管轄となっている。教授や職員らは公務員の身分である。ソウル大学を含めた国立大学には、400人余りの教科部職員が派遣されている。教科部の指示通りに運営されざるを得ない構造となっている。学校組織を変えるためにも、一つ一つ承認を得なければならない。政府による支援予算は、指定された細目通りに使うようになっている。このような硬直された構造の中で、早い変身を遂げている世界の一流大学と競争するのは、手足が縛られたまま、戦争に出向くのと同様である。

ソウル大学が法人化されれば、意思決定機構は、私立大学のように15人からなる理事会となる。政府の口出しから離れ、ようやく自主的な学校運営ができるようになる。総長と教授との間の癒着関係が形成される総長直接選出制も、間接選出制度に変わる。国立大学の法人化のメリットは、今年開校した蔚山(ウルサン)科学技術大学を見ればよく分かる。最初から国立大学ではなく、国立大学法人としてスタートした蔚山科学技術大学は、実力のある教授に対しては、70歳(一般教授は65歳)まで定年保障をしている。破格的な年収を掲げ、外国の有能な学者をスカウトしていることも、ほかの国立大学とは異なる。

ソウル大学は今年、英「ザ・タイムズ」が発表した世界大学のランキングでは47位につけた。韓国大学の中では唯一、世界的大学に躍進できる可能性を秘めているともいえよう。ソウル大学の法人化が達成できれば、運営全般にわたっては大きな変化が予想されるが、だからといって、法人化が世界的な大学へと進む道を保障するわけではない。日本のように定期的に大学における成果を巡り、責任を問う案は検討するに値する。ほかの国立大学に対しても法人化作業を急ぐべきだ。今年、スイス国際経営開発院(IMD)が発表した韓国の大学教育の競争力は57の調査対象国のうち51位に止まっている。国民の税金によりずさんな経営を行う国立大学の水準を引き上げるためには、法人化のような特段の対策が必要だ。