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[オピニオン]白虎の年

Posted January. 01, 2010 08:39,   

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青龍、白虎、朱雀、玄武。四神図に登場する四種類の神聖な動物の中で唯一実存するのが白虎だ。虎の中でも白虎は、白に茶色の縦縞で、韓国で霊物として崇拝された。白は日光を象徴し、昔の人々は、白虎が現れれば王子は大人しくなり、金持ちは欲張らなくなると信じた。しかし、現実の白虎は、よく目につく色のため、動物を襲うのに不利だった。勇猛で、神のように崇められながらも、現実ではその神聖さによって苦しんだわけだ。

◆白虎には両面の価値があるように、韓国民族が虎に対する感情も二面性がある。敬いながらも軽く考え、好みながらも恐れる。絶対的な権威と力を象徴し、勇猛、名誉、権勢、官職、軍隊、勝利の代名詞に使われるが、説話では愚かで鈍い。頭上に王者が描かれた虎が、「餅を一つやれば襲わないだろう」とはお笑い種だ。孝行息子を見つけて恩返しをする有難い動物であり、時には貪官汚吏や狡猾、あくどさの象徴として登場する。龍や鳳凰にはこのような二面性がないのをみると、韓国民族にとって虎は「人間的な存在」のようだ。

◆檀君神話で、熊はヨモギとニンニクだけ食べて100日間耐え、熊女になって檀君を産んだ。虎は、我慢できず、飛び出した。過度な勇猛さと敏捷さのためか。「虎はなぜ人間がなれなかったのかを通じて、私たちは虎と人間の違いを知ることができる」と李御寧(イ・オリョン)氏は、「十二支神虎」で述べた。いくら力が強くても克己心がなければ、そして野生的な自然の力よりも、耐えて自制する精神力がなければ、人間にはなれない。

◆世の中は多面的で、すべてのものには二面性がある。同じ虎に対しても、「虎は腐った肉を食べない」と「虎も空腹なら、蝶をつかまえて食べる」という相反することわざが存在する。何を見て、どのように活用するかによって、世の中が、暮らしが変わる。庚寅年も多事多難となるだろう。障害物は踏み石と見なし、それでも困難なことは、自制しつつ暮らせばいい。私たちみなが「康衢煙月」(太平聖代の豊かさ)を享受できるように。

金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com