わずか1年で世界が変わった。「風の息子」梁容銀(ヤン・ヨンウン、38)の話だ。梁容銀は、米プロゴルフ(PGA)ツアー08シーズンを終えた後、成績不振で出場資格を失った。Qスクールを経てやっとの思いで出場権を取り戻した彼に、昨年の今頃の目標はただ一つだった。どうやってでもPGAツアーで生き残ることだった。
切羽詰っていた昨年とは打って変わった新年を迎えた梁容銀の足取りは、一層軽く見える。昨年2勝を挙げたおかげで、大物の待遇を受けながら、余裕を持って新年を始めた。梁容銀は7日、米ハワイ州マウイ島にあるカパルアリゾート・プランテーションコース(パー73)で開幕する「SBS選手権」に出場する。
この大会は前年度優勝者のうち、28人だけが出場するチャンピオンの競演場である。米PGAツアードッドコムは、大会紹介のページに梁容銀の写真を掲載し、「無名の選手が37歳の年でホンダクラシックとPGAチャンピオンシップで優勝し、同大会への出場を果たした」と評価した。このサイトはまた、「梁容銀は02年、韓国で開かれたSBS最強戦で初の優勝を収めたことがある」と紹介した。
昨年と比べて価値が高まり、まだ新しいメインスポンサーを確定できずにいる梁容銀は、国益に役立つという考えでKOTRA(大韓貿易投資振興公社)のロゴが刻まれたキャディバックを使うことにした。韓国商品の海外マーケティングに少しでも力になりたいからだ。梁容銀は、「年末、ゆっくり休みながらコンディションを取り戻した。ビックリスターと言われたくない」と話した。
梁容銀をはじめ、昨年メジャー大会優勝者のアンヘル・カブレラ(マスターズ、アルゼンチン)、ルーカス・グローバー(全米オープン)、スチュワート・シンク(全英選手権、以上米国)も優勝を狙う。
この大会を皮切りに、PGAツアーは計46大会に総賞金2億7080万ドル(約3000億ウォン)がかかっている11ヵ月の大長征に入る。「ゴルフ皇帝」から「夜の皇帝」へ転落したタイガー・ウッズ(米国)の長期空白により、興行成績の低迷も予想される。トラのいない洞窟を誰が獲得するかにも関心が集まっている。昨年、無冠に止まった崔京周(チェ・キョンジュ、40)とアンソニー・キム(24)が復活を果たせるかも注目だ。
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