欧州委員会が10年、欧州の環境首都に選定されたスウェーデンの首都ストックホルム。昨年12月9日午後、スウェーデンの都心から地下鉄やトラム(電車)を乗り継いで南東側に6キロ離れた新都市ハンマルビー・ショースタッド(Hammarby Sj¨ostad)を訪れた。
街の一角にあるガススタンドで、「ルービン(Rubin)」というビル管理会社の職員が、業務用乗用車に燃料を入れていた。彼が車に入れていたのは、ガソリンではなくバイオガス(biogas)。彼は、「バイオガスは価格も安いが、効率もよく、コスト削減に大きく役立つ」と話した。
このガススタンドは、バイオガスのエタノールやオクタン価95%のガソリン、ディーゼルの3種類の燃料を販売している。価格掲示板には1リットル当たりそれぞれ9.59SEK(スウェーデン・クローネ、1SEK=1564ウォン)、12.45SEK(2030ウォン)、11.81SEK(1926ウォン)を示す明かりが光っていた。
ストックホルムとハンマルビーを行き来するほとんどのバスや乗用車が使うバイオガスは、家庭から出る汚排水や生ごみなどの有機物のごみを収集して生産している。バイオガスは一般家庭でも使われる。ガススタンド周辺のファーストフード店で出会ったヤン・ヨハンソン氏は、「一つの家庭から出る汚水や排水をリサイクルし、その家で使うガスオーブンに必要なバイオガスを作っていると考えればいい」と話した。
ハンマルビーを案内してくれたスウェーデンの代表的な建築会社「テングボーム(TENGBOM)」のステラン・フリッセル(Stellan Fryxell)パートナーは昨年7月、李明博(イ・ミョンバク)大統領がスウェーデンを国賓として訪問した際、首脳会談にも同席した。
ステラン氏は、李大統領と交わした会話について紹介した。ステラン氏は、「李大統領は私に、『エコシティとは何か、持続可能な都市とは何か』と尋ねてきた。私は一言で、『インフラだ』と答えた」と話した。
ステラン氏の言葉通り、ハンマルビーは炭素ゼロインフラの決定版だ。ステラン氏は、ハンマルビーの炭素ゼロインフラに関連し、「ハンマルビーには、秘密が隠されている」と話した。ステラン氏が公開したハンマルビーの秘密とは、△グリーン電力網、△下水やごみのリサイクルシステム、△地域の冷暖房システム、△低炭素の公共交通体系、△エネルギー効率の最大化を図った絶縁建築などだ。
ステラン氏は、「このようなインフラのおかげで、スウェーデンはこの30年間、石油や石炭への依存度を50%以下に減らすことができた」と語った。
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