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よみがえる「脱北者抑留」の悪夢

Posted January. 07, 2010 09:19,   

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北朝鮮に強制送還される前に中国辺境の収容所で、犯罪者のように撮られた2人の脱北女性の写真が6日付の東亜(トンア)日報1面で紹介された。さし迫る悲運を予感してか、恐怖に怯える彼女らの目を見ると、おぞましい過去が昨日のことのように思い出される。数万人の脱北者が通過するあの写真の背景の前に、記者である私も立っていた。まさに彼女たちのように。

脱北者が、北朝鮮の保衛部で「けだもの扱い」されることは、すでに広く知られている。しかし、知られていない事実がある。脱北者は中国で逮捕された時から、すでに人間扱いされていない。

今でも鮮明に覚えている。脱北して中国で逮捕され、送還される列車の中で、質問にしっかり答えないという理由で、10代の脱北者に電気棒を突きつけ、手足が震えている姿を見て大笑いする中国武装警官の顔を。私も中国収容所で調査にちゃんと応じないという理由で、棒で殴られた。さらに、収監施設の調査官や看守が、北朝鮮送還の恐怖に震える女性らに懐柔や脅迫で、性的暴行を加えることも一度や二度ではないと聞いた。

多くの脱北者が北朝鮮に送還される前に経由する図們辺境収容所で、00年に苛酷な行為に耐えかねて暴動が起きたほどだ。中国公安は当時、銃で鎮圧したという。デモを主導した元医師の脱北者が、銃で腹部を撃たれ負傷し、担架で運ばれると、北朝鮮保衛部員ですら、中国公安の行為に激怒したという。この話は、私が北朝鮮へ送還された時、親交のある保衛部員から直接聞いたものだ。

中国の収容所で最も恐ろしかったことは、殴打ではなく半月以上受ける公安の調査だった。北朝鮮に行けば、保衛部員に中国での行動について嘘がつける。保衛部員が中国に行き、直接調査することができないためだ。しかし、中国公安の調査は、脱北者の中国での行動についてすぐに現場確認が可能という点で、隠すことができない。調査終了後、供述書に拇印を押すが、もしその供述書が北朝鮮に渡れば、脱北者は重刑を受けることになる。中国が、供述書を北朝鮮に渡すかどうかは知らされていない。しかし、北朝鮮保衛部では、脱北者を尋問する際、「中国から関連内容をすべて引き継いでいる。嘘をついても無駄だ」と脅す。

今回の脱北女性の写真公開を機に、北朝鮮へ送還前の脱北者の人権も、国際問題として取り上げる必要がある。中国は機会あるたびに、脱北者の問題を国内法、国際法、人道主義の原則によって処理すると言ってきた。そのような偽善的な発言を聞くたびに、中国が小さく見える。いつになれば本当に大国になれるのか。