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[オピニオン]北朝鮮のゴムひもの綱渡り

[オピニオン]北朝鮮のゴムひもの綱渡り

Posted January. 26, 2010 09:27,   

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愛をゴムひもの綱渡りだと言っただろうか。相手をじらすには一歩引く時もあるが、引きすぎてゴムが切れれば、つなぐことは難しい。相手を逃がさないように近づきすぎれば、ゴムひもの伸びがなくなる。前政府の時まで、韓国は接近し、北朝鮮は逃げたが、逃げながらも、受け取るものはみな手に入れた。今は状況が逆転し、北朝鮮は歩み寄ってくるが、韓国はそっけないという構図だ。甘い言葉の代わりに、「聖戦」や「先制攻撃」といった険悪な言葉も言ってくる。

◆中国とロシアも韓半島非核化を支持しているため、6者協議で北朝鮮は、常に5対1に追い込まれている。6者協議構図では、核を廃棄してこそ、体制保障と経済的見返りを受けられるので、得るものがなかった。北朝鮮はそのため、6者協議は避け、5カ国をそれぞれ相手とする2国間協議に力を入れている。しかし、ロシアからは得るものが少なく、日本は拉致問題で敵対的だ。持ちこたえているのは中国のおかげだ。オバマ米政府は、6者協議の復帰を求めるだけで譲歩がない。北朝鮮が救いを求めるのは、韓国に集中せざるを得ない。

◆昨年、金大中(キム・デジュン)元大統領の国葬の時、訪韓した北朝鮮弔問団が李明博(イ・ミョンバク)大統領に会ったものの、その後変化はない。最近では、首脳会談、海外の工業団地の合同視察、開城(ケソン)と金剛山(クムガンサン)観光問題の協議、さらには「3通」問題を話し合う軍事会談の開催を提案してきた。過去に韓国政府が、望んだすべてのチャンネルが開かれた。最近では、焦ってきたのか、人道主義の立場で北朝鮮を助けようというNGOの訪朝は、ほとんど無条件に許可している。その一方で、北朝鮮の国防委員会は、自尊心が傷つけられたかのように、「宣戦布告と見なす」と脅しをかけてくる。

◆最近の北朝鮮の韓国への攻勢は、冷静と情熱の間を行き来している。一方では、何とかして韓国と当局者協議をしようと必死の姿勢だが、軍部は、「大統領府をぶっ飛ばす」と威嚇する。どちらが北朝鮮の本当の姿なのか。住民の食糧を心配しなければならない労働党と強盛大国建設に邁進する革命武力の間には、渡ることのできない河があるのかもしれない。韓国は、北朝鮮が伸縮させるゴムひもに一喜一憂してはいけない。愛するには、まず凶器を捨てなければならないということを悟らせる必要がある。

李政勲(イ・ジョンフン)論説委員hoon@donga.com