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「ええっ?患者が韓国人?」米国機関に寄贈した骨髄、偶然にも患者は韓国人

「ええっ?患者が韓国人?」米国機関に寄贈した骨髄、偶然にも患者は韓国人

Posted February. 22, 2010 09:25,   

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「あなたと骨髄遺伝子(組織適合性抗原型)が一致する人が、白血病で苦しんでいます。あなたから骨髄(造血母細胞)寄贈を受ければ、完治できます」

会社員のチャン・ヒョンジンさん(40)は昨年6月、米国の造血母細胞銀行からこのような内容の電子メールを受けた。手術への恐怖はあったものの、気を取り直してすぐ返事を出した。

「分かりました。これからどうすればいいですか?」

1988年、ソウル大元(テウォン)外国語高校3年生だったチャンさんは、貿易業を営んでいた両親と共に、米ロサンゼルスに渡った。チャンさんは、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校を卒業し、米市民権を取得した後、映画会社に就職した。1999年、同社の韓国支社長に任命されてからずっと、ソウルで暮らしている。今は大手企業子会社の幹部職員として働いているチャンさんは、骨髄寄贈手術を受けるために最近、ソウルのある病院に入院した。

チャンさんは06年10月、米国に渡った際、骨髄寄贈のボランティア活動をしていた知人から、「米国にはとりわけ、韓国人らによる骨髄寄贈が少ない」という話を聞いた。もどかしさを感じていた彼は、米国の造血母細胞銀行に骨髄寄贈の意思を明らかにした。血を抜かなければならない韓国より、登録手続きも簡単だった。綿棒で顔や舌の下の細胞だけ採取したら、すぐ登録された。

チャンさんは、米国で骨髄寄贈意思を明らかにしてから4年余りが過ぎて現れたこの患者は当然、米国人だとばかり思っていた。手術も米国まで出向いて受けなければならないだろうと思って、出国の準備もした。しかし、チャンさんから骨髄寄贈を受ける患者が、あいにくも韓国人であることが、先月分かった。寄贈者や患者の身元を秘密に付する規則のため、お互いに顔を合わすことはできなかったが、米国機関を通じ、骨髄をやり取りすることになった二人とも韓国人という偶然のご縁となった。

骨髄中の非正常的な細胞が過度に増殖する慢性骨髄性白血病にかかったこの患者は、骨髄寄贈者を見つけることができず、何年間も苦しんできた。この病気は遺伝子が一致する人から骨髄移植を受けるしか、治療法がないものの、骨髄寄贈者と患者との遺伝子が一致する確立は、2万分の1に過ぎない。

この患者はこれまで、韓国造血母細胞銀行協会を通じ、寄贈者を探したが、遺伝子の合う人は現れなかった。日本や台湾などまで探していたところ、昨年、米造血母細胞銀行から遺伝子が一致する骨髄寄贈者がいるという朗報を耳にした。もちろん、患者や米銀行側とも、寄贈者が韓国人だとは全く予想しなかった。

チャンさんは、骨髄採取手術を受けるため、最近、ソウルの病院に入院した。入院室で会ったチャンさんは、「母が心配するのではと思って、手術のことは兄にだけ知らせた」としながらも、「韓国人の命を救うことができ、よかったと思う」と話した。チャンさんは、「難病患者や家族らの苦痛は、私もよく知っている」と話した。チャンさんの父親も、難病を患い、先月7日に亡くなったという。父親を1年間苦しませた病気は、神経細胞が徐々に破壊され、筋肉が使えなくなる「ル・ゲーリック(筋萎縮性側索硬化症)」だった。チャンさんは、「病気が悪化していく父を眺めるしかなく、本当につらかった」とし、「早く骨髄を寄贈し、患者やその家族らの苦痛をなくしたい」と語った。

手術を控えて、健康な体を維持するため、禁酒までしたというチャンさんは、「どうか手術がうまくいき、患者が新たな人生を得ることを願う」と話した。



ryu@donga.com