広域・基礎自治体長と地方議員・教育監を選出する6月2日の民選5期の地方選挙が、99日後に迫った。予備候補登録を済ませた出馬予定者らは、もう全国各地で選挙運動に突入している。1995年草の根民主主義のための地方自治体が、本格的に実施され、15年が経ったが、国民不信と懐疑が深まっているのが現実だ。自治体長と公務員の汚職とモラル・ハザードが、日増しにエスカレートしているからだ。
ソウル西大門(ソデムン)区庁で、玄東勲(ヒョン・ドンフン)前区庁長と秘書室長出身の3人が、再開発事業と人事請託と関連し、巨額の賄賂を受け取った疑いで拘束されたのは、自治体の汚職と不正の構造を浮き彫りにしたごく一部の事例に過ぎない。民主党の場合、06年地方選挙の時、朴某容疑者が全羅道(チョルラド)議員の比例代表候補の公薦の見返りとし、3億ウォンを提供したことと関連し、前職・現職の国会議員まで検察の捜査対象に上がっている。
行政安全部によると、06年選出された民選4期の首都圏基礎自治体長66人のうち、汚職の疑いと選挙法違反で起訴された自治体長だけでも、42.4%に当る28人に達する。捜査が進行中の自治体長まで含めると、基礎団体長の約半分が任期を満たせない格好だ。団体長が、管内の建設業者や土着勢力、甚だしいは地方議会と結託した汚職はもちろん、人事権を乱用した売官売職も公然と行われている。
自治体が汚職の競演場に転落し、汚職の食物連鎖が構造化したのは、選挙運動に巨大の資金が費やされる風土に根本的な問題がある。それにも関わらず、政党は、公薦の過程で汚職の疑惑があったり、その可能性が高い人をきちんと選別できずにいる。各種汚職の疑いで、裁判を受けている状況で、団体長選挙への出馬を準備する政治家が少なくないのは、公薦審査を甘くみていなければありえないことだ。甚だしいのは、玄東勲前西大門区庁長は、収賄の捜査が行われる最中だったが2日、区庁長職を辞職し、すぐ済州島(チェジュド)知事の出馬を準備しているところ、10日拘束された。
各政党は、公薦の過程を透明化にし、予備候補者らに対する徹底した道徳性の検証を通じ、汚職の前歴があったり、疑惑がある人物は、徹底的に排除しなければならない。自治体の汚職を少しでも減らすためには、政党が汚職の前歴者か汚職の可能性がある人物を公薦する場合、有権者が投票を通じ、厳しく戒める必要がある。再出馬する団体長に対しては、本人の実績と清廉さは言うまでもなく、部下職員の汚職に対する監督責任まで問わなければならない。