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[社説]国家安保の基本まで崩してはならない

[社説]国家安保の基本まで崩してはならない

Posted April. 02, 2010 07:17,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」の沈没の原因に関して、1週間様々な疑惑が提起され、政治攻勢や陰謀説などが乱舞し、国の内部混乱が深まる様相だ。沈黙を守っていた北朝鮮は、この隙に軍事的威嚇を再開した。北朝鮮は31日、韓米トクスリ演習(3月8日〜29日)を「北侵戦争演習」として、「韓米海軍の戦闘艦船を海に沈める」と威嚇した。「天安」沈没と韓国内部の不安を韓国への攻勢に逆利用する戦術とみえる。

「天安」沈没の原因究明や行方不明将兵の救助、危機対応などは、政府と軍当局が総力を上げて当然すべきことだ。これが最も緊急な課題だ。政界をはじめとする各界の力量も、そこに集中しなければならない。ところで、いま韓国社会の姿を見れば、憂慮する点が少なくない。野党民主党は、「天安」惨事の収拾の責任を負う金泰栄(キム・テヨン)国防部長官と金盛賛(キム・ソンチャン)海軍参謀総長の解任を求め、火の出た家を煽る心理ではないのか疑わしい。彼らに誤りがあるなら、正確な原因調査が終った後に追及することは追及し、進退を取り上げても遅くない。荒々しい河を渡る緊迫した状況では、馬を乗り換えないことだ。

野党と一部の市民団体およびメディアは、北朝鮮の介入の可能性についての軍当局の原則的な言及を「北風による保守層結集の陰謀」と主張する。無責任な意見だ。彼らは、「天安」惨事を6・2地方選挙の追い風に利用しようという思惑まで露にしている。国家安保を脅かす大事故が起きた時は、内部分裂は止め、外部からの危険をまず警戒し、取り除くのが常識だ。

一部の市民団体は、国防部に「天安」の任務と日誌、交信内容、航海記録、海軍指針とマニュアル、機雷による爆破または誤爆疑惑、トクスリ演習記録などの提出を要求した。これらの資料の中には、軍事機密も一部含まれている。事故の原因と調査過程は、国民に透明に公開しなければならないが、国家安保に直結した敏感な軍事機密まで無差別に提出せよとは行き過ぎだ。

「天安」沈没直後、近隣にいた哨戒艦「束草(ソクチョ)」の発砲、白翎島(ペクリョンド)海兵旅団の戦闘態勢に関しても、生半可な予断をしては困る。ひとまず軍の説明を信じて、原因調査が終るまで待つ必要がある。軍への無条件の不信感でやみくもに疑惑を提起すれば、結局は金正日(キム・ジョンイル)集団だけを喜ばせることになるだろう。国家安保の基本を崩さない成熟した分別のある国民意識が求められる時だ。