2日に公開された公職者財産変動の内訳を見ると、直系尊・卑属の財産を公開しなかった「告知拒否」の公職者の割合が、毎年高まっている。立法、司法、行政部の財産公開対象者2284人のうち796人(34.8%)が、直系尊・卑属の財産を公開しなかった。これは、昨年(31.8%)より3ポイント増えた数値だ。政府の場合、告知拒否率は毎年増加し、今年は34.3%に達する。
公職者倫理法は、直系尊・卑属の中で被扶養者でない場合、公職者倫理委の許可を受けて、財産公開を拒否できる告知拒否制を設けている。公職者の家族が経済的に独立しているなら、プライバシーを侵害してはならないという趣旨だ。しかし、絆のかたい血縁関係でつながっている韓国の家族文化で、直系尊・卑属の告知拒否制は、公職者の財産隠匿手段に利用される素地がある。
告知拒否の許可基準も、2人家族基準で月所得125万ウォン以上、4人家族基準で198万ウォン以上なので、直系家族の所得がある場合、ほとんどが告知拒否の許可を受けることができる。今回の財産公開の結果でも、中央行政機関別の告知拒否の割合は、放送通信委員会66%、監査院54%、最高検察庁51%、大統領室44%だった。いわゆる力のある機関が、概ね平均より高かった。
公職者の財産登録制度自体が、私有財産やプライバシーの侵害の素地など、議論の余地があることは事実だ。しかし、クリーンな公職風土をつくって、国民の信頼を高めようという次元で導入された制度であるため、実効性をもって運営していかなければならない。告知拒否制が、公職者の誠実な財産申告を回避する迂回出口に悪用される可能性を遮断する必要がある。一定職級以上の公職者の場合、両親、子どもの財産をすべて公開するよう義務づける案も検討する価値がある。
申告を受けた財産(変動)内訳に対する検証をより実効的に進める案も講じる必要があるだろう。政府公職者倫理委は昨年、1782人の財産公開者を対象に審査し、171件の補完命令を下しただけで、一件の懲戒議決要請もなかった。公開後3ヵ月以内に終えなければならない審査日程も短すぎる。
金泳三(キム・ヨンサム)政府時代に導入された公職者財産登録制は、公職を利用した蓄財を減らすのに大いに貢献した。これまでの試験運用を基に弱点を補完し、制度の趣旨が損なわれることを防がなければならない。