韓国軍は4日、哨戒艦「天安(チョンアン)」の沈没で行方不明になった乗組員の捜索作業を打ち切り、天安艦の引き揚げ作業に転じた。行方不明者の確認は、船体を引き上げた後、進めることを決めた。
合同参謀本部の李ギシク情報作戦処長は同日、「行方不明者の家族たいが『これ以上ダイバー要員たちの犠牲があってはならない』という大乗的な見地からの決定を受け、本日0時を持って、ダイバーによる捜索・救助作業を打ち切りにした」とした上で、「その代わりに艦首と艦尾の引き上げ作業を同時に進めている」と明らかにした。
天安艦の引き上げ作業は、△海中の船体の状態把握や引き上げクレーンの設置、△クレーンと天安艦との連結、△天安艦の引き上げや排水、△バージ船への積み替えや行方不明者への捜索、△平澤(ピョンテク)の第2艦隊司令部への曳航——の5段階で進められる。
軍関係者は、「引き上げは潮の速度や波、水温など全ての環境が最適な場合は10日ほどで終わるが、そうでない場合は1ヵ月以上かかることもありうる」と話した。
軍は同日、民間人ダイバーたちの協力で沈没した艦首や艦尾周辺の海底地形を探索し、艦尾区域には海上クレーンを固定させた。艦尾区域では「88水中開発」所属の海上クレーン2000トン級の「サムア2200号」や300トン級のバージ船1隻、150トン級の小型クレーンなどが投入され、艦首区域には「海洋開発公社」所属の3600トン級の海上クレーンや120トン級の小型クレーン、300トン級のバージ船が投入される。
行方不明者らの家族は、ナム・ギフン上士(36・写真)の遺体が収拾される過程で、元士・上士食堂が水につかり、ホースや電線などが絡んでいるため、これ以上の内部進入は難しいという状況を確認した後、会議を経て「人命救助や捜索作業の中止」決定を下した。
行方不明者家族協議会の李ジョングク代表は3日夜、「行方不明者らが生存している可能性が全くなくはないが、調査の結果、船体内部は被爆による衝撃や海水の流入で非常に危険な状態だ」と言い、「ダイバー要員のさらなる犠牲が懸念されるため、このような決定を下した」と明らかにした。
軍は3日午後6時10分ごろ、艦尾の切断面からナム上士の遺体を収拾した。行方不明者のうち生死が確認された初の事例だ。軍は、ナム上士の身元を、戦闘服の上着の名札から確認した。
李処長は、「切断された艦尾部分から室内への進入通路を確保する途中、ナム上士を発見した」と説明した。天安艦の射撃統制装置の責任者である「射撃統制長」を務めていたナム上士の遺体は、遺族の要請を受け、平澤の第2艦隊司令部に搬送された。軍は、遺族と葬儀の手続きについて協議を行っている。
一方、国防部は、一部のメディアが単独入手したと報じた海軍の状況日誌に関連し、海軍が作成した日誌ではない」と反ばくした。
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