アンソニー・キム(25)が米プロゴルフ(PGA)ツアー、シェル・ヒューストンオープンで優勝した。米テキサス州レッドストーンGC、トーナメントコース(パー72)で行われた4ラウンドで、2アンダー・70を記録し、通算12アンダー・276でボーン・テーラー(米国)と並び、延長1番で勝利した。アンソニー・キムは、08年、AT&Tチャンピオンシップ以来、21ヵ月ぶり通算3勝目を挙げた。優勝賞金は104万4000ドル(約12億ウォン)。
●泣いて笑った最終ホール
アンソニー・キムは、2打差首位の18番ホール(パー4)のティーボックスに上がる時までも、簡単に優勝できるように見えた。しかし、ティーショットと2打目のショットを相次いでバンカーに落とし、ボギーを叩いてしまった。このホールで劇的な5.5メートルのバーディを奪ったテーラーに同打を許した。18番ホールで行われた延長戦で、アンソニー・キムの3番ウッドショットは、280ヤード飛び、フェアウェイをキープした。今大会4日目に初めてこのホールのフェアウェイで2打目のショットをした彼は、ボールをピン8.5メートル地点にキープした後、2パットで先にホールアウトした。反面、ティーショットと2打目のショットをバンカーに落としたテーラーの5.4メートルのパーパットは、カップ30センチ手前で止まった。勝者と敗者が決まった瞬間だった。
●試練を乗り越えながら成熟
08年、アンソニー・キムは、23歳の若さで2勝を挙げた。タイガー・ウッズ以来、25歳前に1年で2回以上優勝トロフィーを持ち上げたのは彼が初めて。自尊心が強いことで有名なアンソニー・キムは、もう恐れることはなかった。しかし、昨年、手指と肩の負傷に苦しんだ上、恋人との別れが響き、無冠に終わった。3回トップ10入りに5回予選落ちの歯がゆい成績。
試練を経験したアンソニー・キムは、怠け者の天才という汚名から抜け出すため、基本に忠実に、トレーニングに励んだ。家の裏庭にパッティンググリーンまで作り、数時間パターを手に取った。今大会で彼のティーショットは、23回フェアウェイをキープし、41%のキープ率に過ぎなかった。ティーショットは頻繁に水草とバンカーをさ迷った。同日、17番ホールではスタッフの胸に当てた。昔だったら、かんしゃくを起こし、自滅したはずだったが、今回は違っていた。冷静を保ち、精巧なショートゲームとパットで危機を乗り切った。歴代4番目に低いフェアウェイのキープ率で優勝したアンソニー・キムは、「2年前だったら、私のキャディバッグを水の中に叩き込んだはず。そしたら、延長で使えるクラブがなくなっていただろう」と言って笑った。
●さらに熱くなった名人熱戦
アンソニー・キムの復活は、8日開幕するシーズン初メジャー大会のマスターズの熱気をさらに盛り上げた。トラを捕るライオンと呼ばれた彼が息を吹き返したことで、5ヵ月ぶりに復帰するウッズとの対決も興味深くなった。不惑を越え、全盛期を取り戻したアーニー・エルス(41)は、最近、連続優勝を果たし、グリーンジャケットへの希望を高めている。乳がんの妻と母親を治療した医者に同日、終盤3つのホールのキャディーを任せたフィル・ミケルソンは、後半に入り、6連続バーディを奪い、順位を35位タイ(2アンダー)まで押し上げ、ウォーミングアップを終えた。
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