海軍が12日に、哨戒艦「天安(チョンアン)」の艦尾を、当初の沈没位置から水深の浅い場所に4.6キロメートル移動させたことをめぐり、軍内部で情報が錯綜している。正常な指揮系統によって行われたという国防部の公式説明にもかかわらず、海軍の艦尾移動の決定に、国防部と合同参謀本部が排除されたという軍関係者の証言が相次いでいる。
●「艦尾移動、国防部と合同参謀は知らなかった?」
軍関係者らは13日、艦尾を移動させることを国防部と合同参謀が事前に知らなかったと伝えた。海軍教育司令官の金ジョンドゥ探索救助本部団長(中将)が12日、李サンウィ合同参謀議長に報告せず、独断で決めて実行に移した後に「事後報告」したというものだ。
軍のある関係者は、「艦尾移動の事実を合同参謀は知らなかった。合同参謀議長も知らずにいたが、テレビを見て移動の事実を知った。李議長が驚いて、急いで統制室に行き、その後に報告を受けて承認した」と話した。同関係者は、「艦尾を移動する方法は、国防部と合同参謀では事前に議論されなかった」と付け加えた。
また、別の関係者は、「(12日)午後4時頃に李議長が、地下統制室に降りて行った」と話した。テレビに艦尾移動についての字幕ニュースが初めて出た時間は、12日午後3時40分頃だった。同関係者の言葉どおりなら、李議長は3時40分以降に報告を受けたことになる。
艦尾の移動を合同参謀や国防部が知らなかった可能性は、当時、定例会見の内容とメディアの報道に対する国防部と合同参謀の反応からも、推測することができる。
李ギシク合同参謀情報作戦処長は、12日午後3時から3時30分まで定例会見を行い、艦尾の移動については一切言及しなかった。艦尾に連結したチェーンも1本だけであり、作業が難航しているとまで述べていた。しかし、白翎島(ペクリョンド)付近の艦尾沈没の海域では、すでに2本目のチェーンが連結され、定例会見が終わって30分後に艦尾の移動が始まった。国防部報道官室も、艦尾の移動に関する記者の確認要請にもかかわらず、内容が分からず右往左往した。
●国防部、「正常な報告システムで移動を決定」
国防部は13日、定例会見で正常な報告による決定だったと強調した。李情報作戦処長は、12日の定例会見で、艦尾の移動についてまったく言及しなかったが、テレビに移動シーンが出た後、公開したことについて、「定例会見当時は、そこまで(移動事実を)認識せず、白翎島の現場でも、報道官室とメディアに通知することまで考えが及んでいなかった」と説明した。
そして、「探索救助団長が当日午後1時32分、海軍作戦司令官に艦尾移動について報告し、救助団長は、午後1時45分頃から独島(ドクト)艦にいた行方不明者の家族3人に移動の必要性について説明した。家族協議会が午後3時、救助団長に艦尾移動に同意するという意思を明らかにした」と話した。さらに、「探索救助団長が、合同参謀議長に午後3時27分に有線で(艦尾移動)報告し、国防長官には午後3時30分に報告して承認を得、午後4時5分から移動を始めた」と付け加えた。
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