李明博(イ・ミョンバク)大統領は13日(現地時間)、第2回核安全保障サミットが韓国で開催されることと関連し、米ワシントンで開かれた記者会見で、北朝鮮を会議に招請する前提条件とし、△6者協議への復帰、△核放棄の意志表明、△核拡散防止条約(NPT)への加入を提示した。さらに、李大統領は、「私は(この3大条件が)そうなる(実現する)よう世界の首脳らと共に北朝鮮の核を抑制する努力をする」と述べた。同日の会見では、これまで李大統領が、北朝鮮の核問題の解決策として提示してきた「グランドバーゲン(一括妥結)」は一切言及されなかった。
グランドバーゲンは、北朝鮮の核問題で、段階的に交渉し補償を与え、また原点に戻るという過去の方式から脱皮し、北朝鮮の核廃棄と対北朝鮮支援を一括妥結するという構想だ。北朝鮮が、最も差し出したくないもの(核兵器)と最も望むもの(体制保障)を交換する「ビッグディール」ということだ。
今回、李大統領は、会議招請の前提条件に、北朝鮮の完全な核廃棄ではなく、6者協議への復帰と核放棄の意志表明などを掲げた。見方によっては、一括妥結でない段階的アプローチとも解釈され得る。過去に比べ、一歩後退したのではないかという印象を与えかねないということだ。一部では、政府の核問題のアプローチに変化が生じたのではないか、という観測まで流れている。
これに対し、政府の外交安保ライン関係者は、「グランドバーゲンがすべてを一括処理する『ワンショットディール』と誤認される面があり、グランドバーゲンという用語を使わなかったようだ。グランドバーゲンそのものも、段階的なアプローチを含んでいる」と話した。グランドバーゲンは、北朝鮮が核を完全に廃棄するまでは、一切の北朝鮮支援をしないというのではなく、まずは核放棄の意思を明らかにすれば、それ相応の措置を取るという意味が含まれているということだ。
大統領府関係者も、「李大統領の13日の発言は、核放棄プロセスを踏んでこそ、核サミットに招請するということなので、従来のグランドバーゲンの枠組み内にあるとみていい」と話した。そして、「グランドバーゲンは、北朝鮮が透明かつ徹底した核放棄のプロセスに入れば、その結果を見て段階的に支援するという意味だ。そのような手続きに合意しようというのが、グランドバーゲンの要だ」と説明した。
しかし、当初、大統領府がグランドバーゲンを一括妥結という言葉で解説し、内容面でも過去の段階論的な前轍を踏まないという意味だと明らかにしていただけに、北朝鮮へのメッセージで一部混乱が生じ得るという指摘が出ている。
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