1970、80年代、中東の建設現場の韓国人といえば、焼き付ける太陽の下で汗びっしょりで働くイメージを思い浮かべる。工具を持っている掌には常にたこができており、顔は強い日差しに焼けて黒くなっている。さらに、作業着は埃まみれとなっている。ところが、先月15〜20日オマーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)など、中東に進出した韓国の建設会社の現場を見て回った結果、韓国の労働者たちの生活は過去とは比べ物にならないほど一変している。世界舞台で急速に高まった韓国経済のステータスが「海外の建設人材」たちの暮らし方にもそのままそっくり反映されているのだ。
●砂漠上のゴルフ、外国人コック
「ナイスショット!」
先月19日、オマーンのドゥクム(Dqum)市の大宇(テウ)建設修理造船所の現場。首都マスカット(Muscat)から南東部に500km離れたここで9ホールのゴルフ場が目に入った。砂漠の上に建てたのでバンカーや池のようなハザード(ゴルフコース内にある障害地)こそないが、現場の労働者の韓国人ゴルファーたちは、人口芝生のついたバッドを砂の上に敷き、本番顔負けのゴルフを楽しんでいる。彼らの傍にはがっちりした体格のパキスタン出身の男子キャディがゴルフクラブを運んでいる。ここで会ったある韓国人労働者は、「週末になると、涼しい午前の時間を利用して、砂漠のゴルフを楽しむ」と話した。
彼らが宿舎として使っているのはコンテナボックスを組み立てて作ったプレハブ。食堂では韓国人厨房長1人が、外国人コックたちを指揮し、中東ではなかなか食べられない味噌汁、ユッケジャンスープ(牛肉野菜辛スープ)、三枚肉など韓国料理を出す。食材は毎月コンテナ船を通じ、韓国から直接調達する。従業員たちは、休みの時間には動画のメッセンジャーを通じ、家族と顔を合わせながら会話を交わしたり、IP電話で通話する。
●建設現場の労働者から管理者へ
ドゥクム現場の全体労働者のうち、韓国人は103人。全体の252人の中で4.6%に過ぎない。チョ・キソクドゥクム修理造船所現場所長は、「過去、われわれの先輩たちはそれこそ『肉体労働』をしたが、今は全体労働者の2%に過ぎない韓国人が現場を指揮している。それだけ韓国のステータスアップをうかがわせる」と説明した。
ここに限らず、大部分の中東の建設現場では韓国人がパキスタンとフィリピン、バングラデシュなど、外国人労働者たちを雇用している。宿舎では、「ハウスボーイ」「オフィスボーイ」と呼ばれる外国人男性の家事手伝いたちが洗濯、料理、その他のお使いなどを行う。大宇建設のある現場の幹部は、「4ヵ月に一度ずつ、2週間の休暇をとって家で休んでいると、妻から食事の後片付けなど家事を手伝ってほしいとうるさく言われる。かえって、ここでは家事のお手伝いさんのおかげで貴族のような生活を享受できる」と話した。
●奥地の勤務を嫌う若いエンジニアたち
しかし、韓国人の現地勤務環境の改善を諸手をあげて歓迎するわけにはいかない。韓国人が主に実務よりは管理職種に携わっているため、現場では経験と技術を持つ建設エンジニアたちの流れが途絶えてしまうのではという懸念の声もある。最近では、中東やアフリカの建設現場でもっとも粘り強くがんばっているといわれる労働者は、韓国人ではなく中国人たちだ。
これは中東で働き盛りの若い人たちが汗を流して働くことを余儀なくされる奥地の勤務を嫌っていることによる。アブダビの建設現場の関係者は、「若手のエンジニアたちが海外に出ようとしていないから、現場の老齢化が進んでいる。若い人材を養成しなければ、技術と経験の伝授が途絶え、建設韓国の神話も終わりかねない」と指摘した。アブダビ・ドゥクム=
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