最近、ウォン高ドル安が急激に進んでいる。このままいけば、近いうちに1ドル=1000ウォン台へと復帰するのではないかと言う見方も増えている。
ウォン高ドル安の傾向は、国内株式市場での外国人による買い付けが続くことや、国の格付け引き上げによる前向きな結果だが、ウォン高ドル安のテンポが過度に速く進むと、輸出競争力に悪影響を及ぼしかねない。
特に最近のウォン高ドル安は、グローバル輸出前線では最大のライバルである日本の円安傾向とあいまっており、輸出業界は緊張が高まっている。
●国の格付け引き上げにより、ウォン高ドル安が進む
1月初頭、1ドル=1119.8ウォンまでウォン高ドル安が進んだ対ドルウォン相場は、ギリシャなど南欧諸国の財政不安が増大し、2月8日は1ドル=1171.9ウォンまで上昇した。その後、下落に転じた為替相場は最近、中国人民元の引き上げを巡る予測が出たことを受け、ウォン高ドル安が急激に進んだ。14日は、シンガポール・中央銀行の通貨切り上げ方針や、ムーディーズによる韓国の格付け引き上げニュースが重なったことを受け、1ドル=11.7ウォンもウォン高ドル安が進んだ。15日も、その傾向は続き、19ヵ月ぶりの最低水準である1ドル=1107.5ウォンまでウォン高ドル安が進んだ。しかし、16日は、ギリシャ財政危機を巡る不安が再び増大し、1ドル=1110.3ウォン台のウォン安ドル高に転じた。
ウォン高が進んでいるのは、シンガポール・ドルの切り上げを受け、中国人民元の切り上げも迫っているとの見方と、ムーディーズによる韓国格付けの上方修正、外国人らによる大規模な株の買い越しなどの対内外要因があいまっての結果によるものだ。このような基調が続くことになれば、為替相場は1ドル=1100ウォン台を下回り、1ドル=1000ウォン台で推移するだろうと言う見方が多い。
しかし、為替当局がさまざまなルートを通じて、最近のウォン高ドル安は行き過ぎだと言う見方を仄めかしており、ウォン高ドル安の傾向には限界があるだろうと言う見方も少なくない。
●ユーロ、外国人、当局による介入の度合いがカギ
今後も引き続き、ウォン高が進むかどうかを見極めるのに重大な変数として働くのは、人民元の切り上げだ。中国当局は相当な期間をかけて、徐々に切り上げに踏み切るだろうと言う見方のほうが多いが、その時期や幅については依然、意見が分かれている。チョン・スンジ三星(サムスン)先物研究員は、「第2四半期中に人民元の切り上げに踏み切る可能性が高い」とし、「最近のウォン高は、人民元の切り上げへの期待感を、相当先に反映した側面が強い」と語った。
とはいえ、ウォン高の要因だけあるのではない。専門家らは、ユーロの行方に神経を尖らせている。ユーロは昨年12月以降、南欧諸国の財政危機が浮き彫りになり、引き続きユーロ安を見せており、3月25日には1ユーロ=1.3265ドルまでユーロ安が進んだ。最近、ギリシャの財政難に対して、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)が共同支援を通じて解決する方針を掲げているにも関わらず、一部では、ユーロ安を超え、崩壊しかねないという懸念の声まで出ている。
モルガンスタンレーのヨハイム・フェルス・リサーチセンタ長は15日、投資家ら宛てに送った手紙の中で、「ギリシャに対するEUの救済金融は、ユーロゾーンの国々の財政浪費や通貨安、高いインフレを招きかねない」とし、「ドイツがユーロゾーンから脱退すれば、ユーロゾーンは崩壊されかねず、国際金融市場は深刻な打撃を受けるだろう」と警告した。ユーロ安が続く場合、相対的にドル高が進み、ウォン安ドル高の要因として働くことになる。
国内での変数も多い。外国人が証券市場で着実に株を買い付けても、個人は株やファンドを売りさばいてきたが、最近、総合株価指数(コスピ)が1700台半ばまで上昇したことを受け、個人も株買いに乗り出す動きを見せていて、注目を集めている。李ジンウ・NH先物リサーチセンター長は、「以前の流れから見れば、外国人が持続的に株買いを行って株価が高騰してから、遅れて個人が参入し、その時を見はかって、外国人が株を手放し、個人に損失を押し付けるケースが多かった」とし、「コスピが1800ポイント台に迫り、一歩遅れて個人が参入し、外国人が株を手放せば、ウォン安へのプレッシャーは増大しかねない」と話した。
政府の経済政策ルートの変化も欠かせない変数となっている。08年、当時の姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官と手を組んで、ウォン安ドル高に基づいた成長重視政策を展開した崔重卿(チェ・ジュンギョン)元財政部次官が、大統領経済首席秘書官として復帰を果たしたのが今後、当局による為替政策にどのような影響を及ぼすのか、注目を集めている。為替市場では、政府による為替政策の方向性を確認するのにやや時間がかかるだろうと見込んでいる。
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