北朝鮮は23日、金剛山(クムガンサン)観光地区内の離散家族面会所など、韓国政府所有の5つの不動産を没収し、残りの民間所有の不動産についても、凍結措置と共に、管理人員を追放すると明らかにした。これにより、1998年11月18日から開始された金剛山観光事業は11年5ヵ月目で、存亡の危機に立たされることになった。
北朝鮮の金剛山観光地区担当機関である「名勝地総合開発指導局」の報道官は同日、談話を発表し、「すでに凍結されている南朝鮮当局の資産である金剛山面会所や消防隊、韓国観光公社の所有となっている文化会館や温泉場、免税店の5施設を全て没収する」と明言したと、朝鮮中央通信が報じた。
談話は、「指導局は、『該当機関からの委任』を受け、金剛山観光地区内の南側不動産への第1次凍結措置に続き、次のような第2次行動措置に入る」とした上で、このように明らかにした。また、「同措置は、長期間の観光中止により、我々がこうむった被害への補償だ」とし、「没収された不動産は、法的手続きを経て共和国が所有したり、新しい事業者に渡すことになるだろう」とした。
さらに、「金剛山観光地区の残りの南側不動産についても、全て凍結し、管理人員らを追放する」とし、「南朝鮮人民らの金剛山観光が、李明博(イ・ミョンバク)保守やからにより、永遠に途絶えることになったのは、まことに悲劇であり恥ずかしいことだ」とも。
談話は特に、「傀儡やからは、自分らの艦船沈没事件に、我々を無理やりに巻き込みながら、北南関係の全面断絶や戦争も辞さないと騒ぎ立てる事態にまで達した」とし、「今の情勢は、金剛山観光どころか、戦争が起こるかどうかの危機一髪の最極端の状態だ」と主張した。
これについて、統一部の当局者は、「今回の北朝鮮の措置は、南北関係を根本的に破綻させる不当な措置だ」とし、「事業者同士の合意や当局間合意、国際ルールに反することであり、到底受け入れられない」と明らかにした。北朝鮮はこのような超強硬な措置にもかかわらず、8日、離散家族面会所などへの資産凍結措置の際に明らかにした開城(ケソン)工業団地事業の見直し問題は取り上げなかった。ある専門家は、「北朝鮮は民間資産までは一度で没収せず、最後の協議の可能性は開かれている」と分析した。
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