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[社説]危機事後対応の前に事前遮断力から育てろ

[社説]危機事後対応の前に事前遮断力から育てろ

Posted April. 30, 2010 02:57,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」事件後に持ち上がった論議は、主に艦艇を2つに切断して沈没させた原因が何であり、誰の仕業なのか、事件発生後の軍の全般的な対応は適切だったのか、北朝鮮の仕業と明らかになった場合、どのように対応するのかに焦点が置かれている。事後対応はもちろん重要だが、それよりも重要なのは、なぜこのような不祥事を事前に予防できず、なすすべもなくやられたのか、正確に把握することだ。

韓国の海軍哨戒艦が、韓国の海域で「外部からの攻撃」を受けて沈没したことは、言うまでもなく情報収集の失敗、警戒作戦の失敗だ。攻撃の主体が、この65年間、韓国と銃口を向け合っている北朝鮮であることが明らかになるなら、情報と警戒の失敗による意味は一層重い。軍や国家情報機関の存在理由は、外部の敵から国家と国民を保護することであり、保護の一義的な主眼点は当然、攻撃の事前予防と抑止でなければならない。堅固な警戒力、情報力、軍事力で敵が韓国を狙う考えを起こさないようにすることが、第一の課題だ。攻撃の動きがある時は、事前に把握して阻止しなければならない。事後対応はその次のことだ。

北朝鮮は昨年11月、大青(デチョン)海戦敗北後、露骨に報復を公言してきた。韓国の西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)を認めないという威嚇が続いた。NLL付近に対する海岸砲射撃も行われた。北朝鮮が、西海で何か火遊びをするのではないかと思われる兆候が多かった。南北間の情勢も普通ではなかった。北朝鮮が挑発を試みるなら、その場所が西海であるということは、言わずと知れたことだった。当然、軍と情報機関は、西海を中心にした北朝鮮の動きに以前よりも数倍の情報力と警戒力を集中すべきだった。

まず、事前にまったく挑発の動きに対する情報把握ができなかったのか、あるいは動きが把握されたにもかかわらず、しっかり対処できなかったか、問わなければならない。さらに、そのような失策が装備の問題なのか、システムの問題なのか、規律の問題なのか、疎通の問題なのかについても把握されなければならない。もし、北朝鮮の潜水艇が、韓国海域の深くに侵入して魚雷を発射したにもかかわらず、それがわからなかったとするなら、そのことが探知装備の不足や欠陥のためなのか、海軍全般の警戒作戦の失敗なのか、天安艦自体の警戒態勢の不備や油断のためなのか、明らかにしなければならない。診断が正確であってこそ、二度と同様の失策を犯さないよう補強することも可能なのではないか。

この機に、政府と軍は危機の事前遮断力を育てる方向に、国家の安保態勢と政策を立て直すことを望む。