北朝鮮経済に詳しい情報筋は4日、金正日(キム・ジョンイル)総書記が今回、中国訪問中に大連を訪れたことについて、「北朝鮮が開発の意思をほのめかした羅津(ラジン)港のモデルにするためではあるが、これは北朝鮮の利害関係より、現在頭打ちの状態となっている大連港の突破口を、羅津港開発を通して見つけようとする中国の利害関係が反映されたためだ」との見方を明らかにした。金総書記は、中国訪問2日目の同日、大連の経済技術開発区にある第3埠頭の周辺を視察した。
韓国政府関係者も、「金総書記が大連を訪問したのは、単に北朝鮮が羅津港をベンチマークし、投資を誘致するための目的だけでなく、中国の経済的利益と絡んでいる」とした上で、「それについて見守っている」と述べた。金総書記の中国訪問は単に、北朝鮮がほしがるものを獲得するための行動ではないという。
大連港は、中国東北3省地域の穀物や石炭、木材などを、中国南部や海外に輸送する中心的な港だ。東北3省地域の物流は、陸路で大連港まで移送され、ここで船舶を使って各地域に輸送される。この情報筋は、「現在、大連港に物流が集中しているため、頭打ちの状態であり、これを受け、東北3省の物流を収容できない状況に置かれている」と話した。
大連に本社を構えている中国会社「創立」グループが、羅津港1号埠頭の開発権や使用権を獲得した後、追加で10年間の使用期間を延長するとの情報が流れているのも、中国のこのような狙いを反映している。
これまで、中国による羅津港開発に進展がなかったのは、中国琿春市と羅津港とをつなぐ主要道路が舗装されなかったためだった。これを受け、中国は現時、琿春と羅津港とをつなぐウォンジョン橋や非舗装状態の主要道路を現代化する工事を、年末まで完成する計画だ。それに投入されるコストは、4000万ドルと試算される。
北朝鮮情報筋によると、東北3省の物流を羅津港を通じ、中国南部に移送する場合、大連港より、物流1トン当たり10ドルの削減効果が発生する。羅津港を通じ、中国南部に輸送できる物量は年間400万トンにのぼり、物流削減効果を考慮すれば、1年間で羅津港開発に向け交通路建設に投資した費用を回収できるという。
同筋は、「羅津港開発による輸出販売網の拡大効果まで考慮すれば、中国が羅津港開発により獲得できる経済的利益は膨大なレベルに達するだろう」とし、「北朝鮮はこれまで、羅津港開発を拒否してきたが、経済危機を受け、やむを得ず開放した側面があるので、金総書記は今回の中国訪問で、別の大規模な経済支援を要求する可能性がある」と話した。
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