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急転直下のユーロ、安全資産として存在感高まる金

急転直下のユーロ、安全資産として存在感高まる金

Posted May. 12, 2010 05:27,   

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シティーグループのアナリスト、デイビット・サテル氏は、「ユーロ建債は、もはや安全資産ではないという見方が広がり、安全資産としての金の存在感が高まっている」と説明した。

19世紀に金本位制が定着し、金は準備通貨として用いられたが、第2次世界大戦以降、ブレトンウッズ体制がスタートし、米ドルは基軸通貨としての地位を得た。だが、戦後世界経済を支配してきたドルの地位は、最近は大きく揺らいでいる。

欧州中央銀行(ECB)によると、世界の準備通貨にドルが占める割合は、1999年には70.9%だったが、08年には64.1%まで下がっている。世界的な金融危機以降には、中央銀行のドル比重の縮小が加速化し、昨年は61.5%にまで落ち込んだ。

それに対してユーロは、1999年の発足当時7.9%から、09年の28.1%へと、着実に上昇している。ユーロ発足後、10年ぶりにドルに代わる「第2の準備通貨」として台頭したのだ。

しかし、昨年末からギリシャの財政危機が深刻化し、ポルトガル、スペイン、イタリアなど、ユーロ圏の他地域への危機連鎖の兆しを見せたことから、ユーロに対する信頼が急速に低下している。今回の財政危機が欧州全域に飛び火し、ユーロ体制が崩壊するだろうという悲観的な見方も出ている。

その代案として浮上したのが人民元だ。韓国銀行(中央銀行)は11日、「ユーロの行方」と題した報告書で、「ギリシャの財政破綻を引き金に、ユーロは基軸通貨になるための重要な要件を満たすのに失敗してしまった。ドルに取って代わる本命とされていたユーロが基軸通貨として浮上する可能性は低くなっており、これを尻目に中国が人民元の国際化に拍車をかけるものとみられる」と予想した。

ところが人民元は現在、世界外為市場での取引量の0.2%に過ぎない上、金融市場の発展など、前提条件に欠けるため、基軸通貨になるまでには相当の時間がかかりそうだ。英国のRBS銀行が、世界43の中央銀行の外貨準備高の運用者を対象にアンケート調査を行った結果によると、回答者の50%以上が、早くても26年になって初めて人民元が世界の外貨準備高の5%を占めるだろうと予想した。

ドルの存在感が薄くなり、代案だったユーロは危機に陥っており、人民元は基軸通貨としての準備が今ひとつの中で、結局最後の安全資産と目される金の魅力はさらに高まるだろうという見方が広がっている。とくに、中国とインドなどの主要外貨準備保有国が、ドルに代わる選択肢を探しているが、いまのところ、金しかないという分析が多い。

韓国は4月末現在、外貨準備高が2789億ドルで、世界6位だが、このうち、金の割合は世界最低位の0.2%に過ぎない。韓銀の関係者は、「外貨準備高の多角化を図るため、金を含む国際金融市場を慎重に見守っているが、今のところ、金の購入に乗り出してはいない。金価格の過熱感が見られるため、今が投資を始めるタイミングであるかどうか確信が持てない」と話した。

しかし、金投資に消極的だった李成太(ィ・ソンテ)前総裁が退任し、新総裁が就任しただけに、韓銀も近いうちに金の購入に乗り出すだろうという見方が広がっている。金仲秀(キム・ジュンス)韓銀総裁は就任後、金投資についての意見を公には明らかにしていないが、国際商品価格の動きを綿密に注視していると韓銀側は伝えた。



jaeyuna@donga.com