タイ軍と反政府デモ隊間の流血衝突が拡散し、タイ政局が一歩先も読めない激しい混迷状態に陥った。デモ隊の1人が被弾して死亡し、タイ政府は、15の州に対して新たに非常事態を宣言した。
14日、バンコクの中心部にある米国大使館や日本大使館の周辺でデモを繰り広げていた反政府デモ隊(UDD=異名レッドシャツ)に向けて軍が実弾と催涙弾を撃ち込むなどの衝突が起こった。AP通信は「場国が戦場と化した」と配信した。
米国や日本をはじめ英国、ニュージーランド、オランダは同日、大使館を閉鎖した。商店街や大使館が集中しているバンコク中心街には、約1万人のデモ隊がバリゲートを張って兵隊と対峙している。
13日、デモ隊のリーダー、カティヤ・サワディポン少将が銃撃を受けたあと、デモは一段と激化した。その過程で、軍が発砲した銃弾にデモ隊の1人が頭を撃たれて死亡し、20人の負傷者が出た。これで3月14日に本格化した今回のデモによる死者は全部で30人に増えた。
アピシット首相は、北部と東北部の15の州に対して非常事態を宣言すると発表。先月7日に非常事態が宣言されたバンコクと周辺の州を合わせて、非常事態が宣言された地域は全部で17州に増えた。
一方、カティヤ少将は、依然として意識が戻っていない。デモ隊は、「アピシット首相の命令で軍が不法に武力を使ってカティヤ少将を狙撃した」と主張した。しかしタイ政府の報道官は「今回の事件と軍は関係ない」と釈明した。
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