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「教授ポストを買う1億ウォンがないので、命を絶ちます」

「教授ポストを買う1億ウォンがないので、命を絶ちます」

Posted May. 28, 2010 03:02,   

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27日午前10時、光州北区(クァンジュ・ブクグ)のヨンラク霊園。10年間、大学で非常勤講師として働いた末、自ら命を絶ったソ某さん(45)の妻(45)は、一握りの灰と化した夫の遺骨箱を抱きしめ、嗚咽した。妻は、「誰があなたをこのようにしたのでしょうか」と泣きじゃくった。ソさんの遺骨を納骨堂に安置した兄(52)は、「弟は、上納する金がなくて教授になれなかった。弟が余りにもかわいそうだ」と涙声で話した。ソさんは25日、教授になるために1億ウォンを払うような提案を受けたという内容の遺書を残し、光州西区花亭洞(ソグ・ファジョンドン)の自宅の部屋で、練炭を燃やして自ら命を絶った。ソさんは、教授ポストを巡る金の連鎖を、死を持って告発した。

●「教授になるためには1億ウォンを払えと言われた」

光州・朝鮮(チョソン)大学の非常勤講師だったソさんは、教授採用の過程で金が手渡しされ、論文の代筆も広範囲に渡って行われているという内容の直筆の遺書5枚を残した。ソさんは、「李明博(イ・ミョンバク)大統領様」宛と書いた遺書の中で、「教授ポスト一つは1億5000ウォンや3億ウォンだそうです。私は2度、提案を受けました。2年ぐらい前、全羅南道(チョンラナムド)のある私立大学から6000万ウォンを、2ヶ月前は、京畿道(キョンギド)のある私立大学から1億ウォンの要求を受けました」と明らかにした。

ソさんは、教授らの論文作成にも不正が多いと暴露した。氏は遺書の中で、自分が講義を受け持った英文学科のA教授を名指し、「なぜ、そこまで私を利用しようとしたのでしょうか。もう家来としての価値がなくなり、捨てようとしたのでしょうか?世間がいやになりました。韓国の大学社会は醜いことばかりです」と訴えた。ソさんはまた、「一緒にまとめた論文54本は、全て私が書いた論文であり、教授は名前を入れただけです。この事実を世間に知らせ、法廷での闘争をお願いします」と訴えたりもした。しかし、A教授は、「全国学会に向け、論文を発表することができるよう手助けし、教授にするため自分なりに力を尽くしてきたが、口惜しい」と反論した。朝鮮大学は同日、緊急会議を開き、ソさんが遺書で取り上げたA教授と関係のある論文を巡り、真相調査委員会を立ち上げ、事実関係について調査を行うことを決めた。

●金で売買する教授ポスト

ソさんは1993年、ソウルの某私立大学・中国語中国文学科を卒業したあと、光州に戻り、英語教室を経営した。氏は朝鮮大学で1997年と02年にそれぞれ、英語英文学の修士と博士号を取った。ソさんは、非常勤講師をやりながら8年間、20数回に渡り、各大学の教授ポストに応募した。大半は第2、第3次選考まで合格したが、最終選考で落ちた。

同僚の非常勤講師である金某さん(46)は、「ソさんは、音韻論分野では最高の実力者だという評価を受けていたが、採用の壁は高かった」と伝えた。同僚の非常勤講師らは、「教授ポストを巡り、一部のソウル所在の大学は5億ウォン、京畿道所在の大学は3億ウォン、地方大学は1億ウォン、教育環境の悪い2年制地方大学は数千万ウォンを要求するのは、公然の秘密だ」と口をそろえた。彼らは、「規模の大きい大学は、教授公募に先立って、採用する人を内定し、その過程で金のやり取りが行われる」と説明した。

ソさんは、複数の大学で講義を受け持ったが、一カ月の収入は100万ウォンあまりに過ぎなかった。ソさんの妻は、大学4年生の息子と浪人中の娘の教育費のために、飲食店で働いた。ソさんは遺書の中で、妻に対し、「生きるのが苦難の連続だった。いつか教授になったその日、君に全てのことについて許しを請うつもりだった。しかし、それを遂げることができず、すまない」という言葉を残した。ソさんの兄は、「大学社会の弊害を知らせ、再び犠牲者が出ることがないよう、遺書を大統領府や国家人権委員会に送るつもりだ」と話した。



shjung@donga.com peneye09@donga.com