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[社説]地方自治も中央政治も民生に立ち返れ

[社説]地方自治も中央政治も民生に立ち返れ

Posted June. 03, 2010 08:14,   

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昨日、蓋を開けた6・2地方選挙の結果は、当初の予想とは違い、首都圏をはじめ全国隅々で類を見ない接戦となった。同日午後10時半現在、16広域自治体首長のなかでソウル、仁川(インチョン)、江原道(カンウォンド)、忠清(チョンチョン)南北道、慶尚南道(キョンサンナムド)、済州道(チェジュド)でも開票が終わるまで結果を予測できないほど僅差の大接戦が繰り広げられた

選挙戦序盤にハンナラ党が50%を超える李明博(イ・ミョバク)大統領の国政支持率に加え、天安(チョンアン)艦事件という大型の安全保障問題に助けられ有利な情勢が続いたが、時間の経過とともに有権者の政権党けん制心理が働き始めたと言える。土壇場で投票に参加した若年層が増えたことも影響した。最終投票率(54.5%)は、歴代の地方選挙では1995年の第1回地方選挙(68.4%)以来最も高かった。

ハンナラ党は一部の地域で、土壇場で天下り公認をし、支持基盤の分裂を招いた。忠南、慶南、江原などでは中央政治の論理と特定実力者の関与、地方区国会議員たちの利害関係が絡んだ公認失敗などが決定的な敗因となった。親李(李大統領系)、親朴(朴槿恵氏系)間の軋轢で朴槿恵元代表が選挙戦の支援遊説に出なかったうえ、土壇場での一部候補による失言による分裂、油断も複合的にマイナスの影響を与えた。野党が政派や路線を超えて候補一本化まで取り付け、「李明博政権審判」に狙いを絞っている間、ハンナラ党は「貴族体質」に陥っていた。このような姿勢で政権後期の分裂と政権基盤の弱体化を克服できるだろうか疑問だ。

親盧(故盧武鉉前大統領系)の候補の相当数が善戦した。ソウル(韓明淑)、忠南(安煕正)、江原(李光宰)、京畿(柳時敏)、慶南(金斗官)ら5人の市・道知事候補をはじめ、基礎自治体首長候補まで全部で30ヵ所で善戦した。有権者たちが理念を選んだというよりは、世代交代を支持したという解釈も可能だ。第1野党である民主党は、自らのビジョンやアイデンティティの確立よりは、親盧派に大量に候補を譲って、過去の思い出を売り物にして選挙戦を戦うという限界もさらけ出した。民主党は小さな勝利に酔うことなく、未来志向のビジョンを持って与党と生産的な政策競争を通じて政権担当能力を強化していくべきだろう。

与野党は選挙戦を戦うなかで、お互いに激昂した言葉の爆弾をしまい、民生の政治に立ち返るべきだ。そのことだけが分裂した国民世論を統合させ、国の発展の動力を集中させる道となる。与野党のいずれも、決して優位に立つことができなかった選挙結果を謙虚に受け止めることができない政党は、次の選挙で厳重な審判を受けることになるだろう。