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[社説]与党の敗因を見定めて「謙虚に受け止める」と言っているのか

[社説]与党の敗因を見定めて「謙虚に受け止める」と言っているのか

Posted June. 04, 2010 07:53,   

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鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長は3日、大統領府首席秘書官会議で、6・2地方選挙の敗北に対して「民意を謙虚に受け止める」と言って辞意を表明した。与党ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)代表も辞意を明らかにし、「選挙の結果を謙虚に受け止める」と述べた。大統領府とハンナラ党は、昨年の10・28補欠選で2対3で敗れた時も、今年の4・29補欠選で0対5で惨敗した時も、同じことを言った。選挙に負ければ自動的に「謙虚に受け止める」と言うが、果たして敗因をしっかりと把握して心から受け止めているのだろうか。

ハンナラ党は、6・2選挙に傲慢によって敗北した。公認では深刻な乱脈ぶりを露にした。江原道(カンウォンド)、慶尚南道(キョンサンナムド)など、伝統的にハンナラ党が優勢な地域で、野党と無所属候補が、人物論、世代交代論で弾みをつけた。いっぽうでハンナラ党は、地域社会のために汗を流さず、地域の懸案の討論の準備もできていない候補を公認した。特定の実力者や現役議員の利害関係のために、地盤がしっかりした現役の団体首長が公認に落ち、銃口を逆に向ける「与・与対決」も少なくなかった。

世宗(セジョン)市問題をめぐり、親李(李大統領系)、親朴(朴槿恵氏系)という慢性的な派閥間の軋轢の中、勝利は幸運も同然だった。「選挙の女王」と言われる朴槿恵(パク・グンヘ)元代表は、「責任ある党員」として応援の遊説にも現れなかった。野党の候補が、「李政権審判」の旗印の下、候補を一本化してプラカードを一つにし、選挙前日の夕方まで、街を歩き回っている間、ハンナラ党の人々は、「天安(チョンアン)艦で決着のついた選挙」と考え、勝ったかのように行動した。辛うじて再選の関門を通過した呉世勲(オ・セフン)ソウル市長候補は、自分は当選安全圏内だと考えていたのか、京畿道(キョンギド)、仁川(インチョン)に応援遊説に行くと言っていた。党の重鎮の李允盛(イ・ユンソン)議員は、「天安艦事件が仁川で起こって幸いだ」と失言し、票を失った。傲慢と油断が災いを招いたのだ。

世宗市修正案と主要4河川整備に対する反対論が少なくなかったが、政府とハンナラ党の説明は不十分だった。選挙前に「デジタル政党」を標榜したが、インターネットやツイッターを通じて20、30代の有権者の心をつかもうという努力は見られなかった。

謙虚に受け止めなければならない世論が何であるかも分からないなら、換骨奪胎も空念仏に終わらざるを得ない。ハンナラ党の慢性的なセレブ体質の打破のために、大統領府と内閣、そしてハンナラ党の全面的な人事改編が避けられない。既得権を逃さないために、新鋭の登場を遮る古い政治形態を払拭しなければ、ハンナラ党とこの国の政治に希望はない。堤防が破壊するのに、自分の田畑を守ることだけに汲々とする人々は、総入れ替えしなければならない。10年ぶりに政権を獲得したハンナラ党は、2年3ヵ月で危機を迎えた。国民が表出した「ハンナラ党疲労現象」を打破できる新しい人物が出てこなければならない。