政府は、主要4河川整備事業の中核工程として推進している農耕地リモデリング事業の事業承認手続きを、野党出身の次期地方自治体首長らの就任(7月1日)前に、その大半を片付けるという計画を立てた。政府は、「従来の日程に則った措置だ」と主張しているが、最近、野党出身の次期自治体首長らが、4河川事業を阻止すると公言したことへの対応策という指摘が出ている。
国土海洋部(国土部)は8日、全体農耕地のリモデリング事業地区149ヵ所のうち、10ヵ所あまりを除いた残りの地区に対する自治体からの事業承認を、今月末まで受けつけることにしたと明らかにした。
農耕地リモデリング事業は、4河川の整備によって発生する浚渫土(川底を掘り出した土)を、浸水が懸念される河川周辺の低地帯の農耕地に盛る作業で、政府が構想しているさまざまな浚渫土の処理方法の一つだ。
政府は4河川事業によって発生する浚渫土の活用対策として、農耕地リモデリングのほか、基礎自治体が作る骨材積み置き場に積んでおいて、後で販売したり、公共工事などのさまざまな土木事業に使う方法などを模索している。
農耕地のリモデリングとは、全体149地区、8000ヘクタール規模の農耕地に、平均2.5メートルの高さで土を盛る事業であり、現行法上、広域自治体首長による事業承認が必要だ。これまで政府は、79地区に対する事業承認を受けたり、承認申請を行っており、従来の自治体首長が仕事をする今月末までに、残りの地区を巡る許認可も、できるだけ済ませるという計画だ。
国土部側は、「農耕地のリモデリングを行うことになれば、該当農地は耕地整理を通じ、優良な農耕地へと生まれ変わり、営農環境も改善される」とした上で、「基本的に該当地域の建設業者のみ参加できる事業であり、地域経済の活性化にも大きく貢献できるだろう」と主張した。
問題は、同事業の推進日程があいにく、今回の統一地方選挙の当選者らの就任時期と重なっていることだ。野党出身の次期自治体首長らは選挙直後、農耕地リモデリング事業の承認や骨材積み置き場の建設を拒否し、これを通じ、4河川事業を阻止すると公言してきた。結局、政府の今回の措置は、新しい地方政府が構成されるまでに、4河川事業の足かせを予め取り除く布石ではないかという見方が出ている。
これについて、4河川再生推進本部の関係者は、「現在の自治体首長から事業承認を受けることになれば、事業推進がやりやすくなるが、それを狙ってわざと、事業計画を繰り上げたのではない」と言い、「当初のマスタープランによると、今年5月までに全ての承認を受けることになっているが、事業日程はほかの事情のため、かえって遅れている」と主張した。
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