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学校は安全か 性的暴行事件後も治安対策は手付かず

学校は安全か 性的暴行事件後も治安対策は手付かず

Posted June. 11, 2010 07:01,   

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10日午前11時、ソウル永登浦区(ヨンドンポく)にある小学校。道路に面した学校は、高い防音壁で囲まれていた。正門には、午前から警察が二人一組でパトロールに当たったが、裏門側は物静かだった。午後4時半、下校する3年生の金某君(9)に「一人で帰ると危ないと思わないのか」と聞いたら、「大丈夫です。母も心配しないし」と微笑んだ。

3日前の7日、同学校に通う小学生Aさん(8)が、白昼拉致され、性的暴行を受けた事件が発生した。10日、ソウル市内の小学校5校を見て回ったが、治安対策は依然として立てられずにいる。外部の人間が校内に入り、児童らに声をかけても制止する人がいなかった。父母らは、「悪質な児童性的虐待事件が、どうして毎年繰り返されているのか」と根本的な問題解決を要求している。

●小学校、手付かずの治安対策

同日午後3時に訪れたソウル東大門区(トンデムング)のJ小学校は、閑散としていた。児童らが下校後、数人の児童らが運動場で遊んだり、教室で勉強していた。学校の運動場はもちろん、校舎の3階まで自由に出入りできる。校舎の中に入った子供らと会話をしても、パトロールする人はいなかった。ある児童は、「普段、大人たちも自由に学校内に入り込める」と話した。同日、学校にいた30分間に警備員の姿は見当たらなかった。

同時間帯に、ソウル麻浦区(マポク)のA小学校も、町の住民らがまったく制止されずに出入りしていた。「学校の壁をなくす」プロジェクト以降、壁の高さも人の腰あたりまで低下された。ベンチの下には、ビールや焼酎の空き瓶が転がっている。

運動場で下校する孫を待っていた金某さん(53・女)は、「周辺に再開発地域が多いので、心配だ。外から簡単に校内に入ってこられるのが問題だ」と指摘した。

同日、東亜(トンア)日報の取材陣は、これらの学校以外にソウル松坡区(ソンパク)のJ小学校と鍾路区(チョンノグ)のH小学校なども訪れたが、ただの一度も制止を受けず、校舎内に入ることができた。ソウル地域の小中高校の大部分は、学校に住民が自由に出入りできるよう、開放・運営している。

児童性的暴行の専門相談機関であるソウルヒマワリ児童センターのウ・キョンヒ副所長は、「これまで性的暴行の防止相談の際に、児童らと家と学校は安全だという仮定の下で、登下校の道の安全規則だけを強調したが、この際に学校内の性的暴行への安全を強化する必要がある」と強調した。

●募る不安感と戸惑い

父母らは、さらに不安を募らせている。とくに、「安全地帯」とされていた学校で、女児が拉致・性的暴行を受けたことから、「もはや、性的犯罪から安全な場所はない」という反応だ。

ソウル銅雀区舍堂洞(トンジャクク・サダンドン)に住む主婦のチョ某さん(38・女)は、「これまで学校は安全だと思って、登校後のことは安心していたが、これからそれも難しくなった。子供3人を家に閉じ込めて育てなければならないといわんばかりの状況だ」と言った。

事件そのものがとんでもないことだと指摘する声もある。幼稚園児の娘を持つサラリーマンのオ・ヨンソクさん(37)は、「(事故当時)周りに先生と児童らがいたはずなのに、女児が学校から外に引っ張って、連れて行かれるところを誰も気づかなかったということが理解できない」と話した。

学校側も、事件以降の安全対策に神経を尖らせている。松坡区のJ小学校のある教師は、「誰でも学校に自由に出入りできるため、結局こんな事件が発生してしまった。児童らに朝から誘拐防止教育を行ってはいるが、これといった対策がないので心配だ」と吐息を漏らした。



jmpark@donga.com jks@donga.com