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[オピニオン]調査と主張

Posted June. 17, 2010 08:25,   

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オーストリアは、スイスと並び国際社会が認める永世中立国だ。1955年、米国、旧ソ連、英国、フランスの4カ国の占領統治から脱し、主権を取り戻し、中立外交を宣言した。韓国と北朝鮮の同時国交樹立国で、韓国と1963年、北朝鮮と1974年に外交関係を結んだ。南北(韓国・北朝鮮)のどちらにも偏らず、おおむね中立的な態度をとった。

◆韓国と北朝鮮が14日(現地時間)、国連安全保障理事会で天安(チョンアン)艦沈没事件について、ブリーフィングを行った。トーマス・マイルーハティング国連オーストリア大使は、「韓国のブリーフィングは、徹底した調査(investigation)がされ、説得力があったが、北朝鮮のブリーフィングは主張(allegation)こそあるが、客観的な説明を欠いている」と指摘した。シェラド・アルドフランス大使は、北朝鮮の主張に説得力があったのかという質問に「いいえ」と一蹴した。外交的な利害関係から、対北朝鮮制裁に消極的な中国とロシアさえ、北朝鮮の肩を持つことができなかった。

◆辞書的な意味で調査は、「物事の内容を明確に知るため、きめ細かく調べたり、探してみること」という意味だ。それに対し、主張は「自分の意見や主義を頑なに押し通そうとすること。または、その意見や主義」を指す。中立国のオーストリア大使の評価は、天安艦惨事に対する世界の見方を伺わせるものだ。とはいえ、窮地に立たされた北朝鮮や、どんな場合でも金正日(キム・ジョンイル)政権を庇うことに、汲々としている韓国の一部北朝鮮追随勢力が、どれほど変わるかは疑問だ。ギリシャの哲学者・プラトンは「特定の派閥に属する者は、論争する際に問題の正しい正解にはまったく関心がなく、もっぱら自分の主張を貫くことにだけ終始する」と述べた。

◆お互いの考えは異なるとしても、客観的な事実は受け入れ、尊重する風土が定着され、初めて健全な社会になれる。「暗い情熱」に包まれた勢力が、ことあるたびに無責任な主張を出し、このような偽りの扇動が多くの国民に受け入れられれば、先進国とは程遠い。「現代経営学の父」ピーター・ドラッガーは、「自分の期待と異なる現実に目を醒ますことを拒否する人間を変えるためには、間違った期待を打ち破る「断絶のショック」で、期待を裏切るようなことが発生したことを認めるようにすべきだ」と強調した。客観的な調査より、偽りの主張一点張りの社会一角の危険な考え方をどのように正すか、苦慮するときに来ている。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com