主永(ジュヨン)君!苦しい一晩を過ごしたんだろう。
あまりに気に留めることないよ。なかなか忘れ難いだろうけど、早く忘れるんだ。思い出し過ぎると、焦りが募り、余裕が無くなって自信のあるプレーができなくなる。
心理的に萎縮することなどない。さらに大選手になるには、淡々と受け止める姿勢も習わなければならない。このようなことを乗り切ってこそ、さらに大きな選手になれるはずだ。まだ終わったわけでもないし、重要な試合が残っているじゃないか。
いろんな話が出ているけど、知る人はみんな知っている。あのオウンゴールはどうしようもなかったということを。攻撃手で献身的でない者は、オウンゴールを記録することもない。フリーキックの状況で何としてでも阻止してみようと、守備に加担したのは褒められるべきことなのだ。空中のボールを頭で払いのけようとしたところ、当たり間違えてオウンゴールになったわけでもなく、前にいた選手がヘディングしていることを見ているところ、思いかけず右脛に当たって入ったのだから、ミスと言うまでもない。
1986年のメキシコ大会のイタリア戦で、私もそうだった。1−2でリードされていた後半のことだった。カブリーニが攻撃手のアルトベリに出したボールは、すでにライン線上にいた。それでも最後まで阻んでみようと足を伸ばしたのだが、私の足に当たって入ったことになったわけだ。私も仲間たちも、当時はオウンゴールであることさえ知らなかった。ところが、後で公式記録の時にオウンゴールになっていたことを知った。攻撃手はゴールを決めることの方がもっと重要ではないか。
君も覚えているだろう。君が高校3年生の時、スカウトするために私が大邱(テグ)の君の家まで直接訪れたことを。その前までは選手と契約する時は、いつも親に直接(球団に)来るようにと言っていた。スカウトするために選手の家を直接訪れたのは君が初めてだった。
それほど君は長所が多かった。テクニックが良く、スピードもあったし、ゴール前で攻め込む動きも鋭かったし、シューティングタイミングも良かった。とにかく、どうやってでも連れてこようと思っていた。約束どおり、高麗(コリョ)大学に進学した後、うちのチームに来てくれた。私はその前に辞めてしまって、同じチームでサッカーをやったことはないが、いつも愛情を持っている。
私だけでなく、仲間の選手たち、そしてたくさんのファンもみんな君を理解する。今は誰がよくやったとか間違えたとか口論している場合ではない。君を含めて選手全体、許丁茂(ホ・ジョンム)監督にみんなが力と勇気を与えなければならない時期なのだ。
私は信じる。わが国民が送るパワーと勇気が代表チームのみんなに届くことを。ナイジェリアは緩い。余裕を与えず速くプレスをかければ、倒すことができるはずだ。スピードとプレスは韓国チームの持ち味ではないか。最初から攻撃的に取り組むのだ。
ギリシャ戦では智星(チソン)君が、アルゼンチン戦では菁龍(チョンリョン)君がゴールを決めてくれたじゃないか。23日のナイジェリア戦では主永、君がゴールを決められるような気がするんだ。頑張ってくれ。