「サッカー皇帝」ペレが最近、ブラジルのマスコミとのインタビューで、「ワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカ大会の優勝チームは、ブラジル、ドイツ、アルゼンチンから出る」と話した。１６強の組み合わせが決まった後の発言だった。３チームは、並んでベスト８に勝ち進み、優勝カップに一歩近付いた。実際、今回の発言は、一般人でも簡単に言える発言だ。３チーム共に伝統の強豪。今大会でも安定した戦力を見せている。しかも、１チームでなく３チームも挙げたのだから、ペレの予測が当たる可能性はかなり高い。
しかし、サッカーファンらは、「オランダが優勝の恨みを晴らすだろう」「ウルグアイがペレの力を受け、３度目の優勝カップを持ち上げるだろう」等々、違う反応を見せている。ずっと外れ続けた「ペレの呪い」のためだ。Ｗ杯など主要大会で、ペレが挙げた優勝候補はきまって脱落し、彼が目を留めた次世代サッカースターらは、みんなまともな花を咲かせず、消えていった。
近来のＷ杯だけをみても、ペレの威力はすごい。ペレは０２年韓日Ｗ杯を控え、アルゼンチンとフランスが決勝で、激突すると予言したが、両チーム共にグループリーグで脱落した。その代わり、祖国ブラジルに対しては、決勝トーナメント進出も厳しいと予言したが、ブラジルが優勝した。１９９８年フランスＷ杯で、ペレが優勝候補に挙げたスペインは決勝どころか、ベスト１６入りも果たせなかった。
ペレの最悪の呪いは、１９９４年の米国Ｗ杯。彼はコロンビアを優勝候補１順位に挙げた。今のようにペレの呪いが広く広がらなかった時代、コロンビアは「ペレが挙げた優勝候補」という修飾語をつけ、堂々とＷ杯に出場したが、グループリーグで脱落した。しかも自責ゴールを入れたアンドレス・エスコバルは帰国後、麻薬密売の組織員に撃たれ、死亡した。
ペレの呪いについていざ本人は、「外れたのは何回しかないのに、うるさく言われている」と文句を言う。とにかく、ペレは今回のＷ杯でも、いくつかの予言を出し、結果を待っている。彼は開幕前、「ブラジルとスペインが最強」とし、「ブラジルとアフリカのチームが決勝で顔を合わせてほしい」とも話した。３チームを挙げた予言を含め、３つの予言は今のところまだ有効である。３つの予言に全て入ったブラジルの国民は、今大会で飛びっきり格別なペレの母国愛をどのように受け止めているだろうか。
hanwshin@donga.com
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