李明博(イ・ミョンバク)大統領が、6・2地方選挙の結果も関連し、「与党側には、なぜ李光宰(イ・クァンジェ)、安熙正(アン・ヒジョン)のような人物がいないのか」と物足りなさを吐露したという。野党民主党所属で江原道(カンウォンド)と忠清南道(チュンチョンナムド)知事に当選した2人は、45歳の若さで「挑戦精神」を発揮し、今回の選挙で成功を収めた。李氏と安氏は386世代の学生運動家出身で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の誕生を主導した。李大統領が、民主党の40代の2人の知事ついて言及した背景には、彼らの若い活力と野党の活発な世代交代を羨む気持ちがあるようだ。
その影響のためか、ハンナラ党の7・14全党大会にも、若手候補が党執行部選挙戦に出た。しかし、候補の年齢が若いからといって、それだけで成功した世代交代とみることはできない。ハンナラ党は、地方選挙で国民からなぜ敬遠されたのかを深く反省し、世代交代の前に党構成員の意識と体質から抜本的に変えることが正しい手順だ。
李大統領が民主党を羨んだり、人材がいないと嘆くことに止まってはいけない。天は君主のために人材を生まず、大工のために材木を作ってくれない。人材を必要とする指導者や集団が、自ら人材を探し、育て上げなければならないという意味だ。大統領が、大統領選挙前に知っていたり、大統領選挙の時に支援した人々だけを使い回すたらい回し人事から脱却しなければ、広く人材を探さなかった責任を自ら負わざるをえない。大統領府で人材不足論を言えば、隠れている人材は冷笑するだろう。李政権は、国民が531万票差を生んだ大統領選挙の結果を戦利品のように勘違いし、国民の本当の叫びが何を意味していたのかを忘却した人々が少なくない。党政改編を控え、「役職の分け合い」や次の総選挙での「金バッチ獲得」にのみ没頭したような姿があちこちで目につく。
5日、テレビ中継されたハンナラ党の7・14党大会討論会で、党執行部選挙に出馬した候補らは、それぞれ刷新を主張した。が、いざ、何をどのように刷新するのかというビジョンについて説得力をもって示した候補者はあまりいなかった。親李(李大統領系)と親朴(朴槿恵氏系)の派閥の支持に寄り添ったり、二股をかける候補はいても、ハンナラ党の危機と国民の不信を招いた「自分たちだけの政治」を打ち破り、実に自らを投げ出して国民の中に飛び込もうとする姿は、誰からも見いだすことはできなかった。
経済指標が好転したというが、庶民の暮らしは苦しいだけだ。政権与党が、選挙敗北の前も後も、相変わらず派閥争いに明け暮れていながら、これを刷新で包装しようとすれば、国民に希望を与えることはできない。国民生活の現場に足を運び、国民の声を聞き、陰で涙を流す庶民に力を貸すような献身的な政治家像が必要だ。年齢が重要なのではなく、まさにそのような人々を探し出し、先頭に立たせなければならない。また、国家社会が守るべき価値を守るためには、闘争も厭わない強い体質に転換しなければならない。
感動のない政治で国民の心を変えることはできない。今、ハンナラ党に必要なことは、国民の中に飛び込んで、底辺の国民と向き合い、彼らに希望を与えるような実践的な努力だ。