民主党内の代表的な知韓派であるチャールズ・ランゲル下院議員(80)が、議員倫理規定の違反により、政治生命が危機にさらされている。韓国戦争への参戦勇士であるランゲル議員は、ニューヨークのハレム街が選挙区であり、これまで20回も当選を果たした。11月の中間選挙への立候補を宣言し、21回目の当選に挑戦している氏は1977年、ジミー・カーター大統領の在韓米軍撤退計画に強く反対し、昨年は、「韓国戦争参戦勇士の認定法」の制定を、今年6月は、「韓国戦争60周年の決議案」を主導し、我々にも馴染み深い。
◆ランゲル議員は07年と08年の2度に渡り、同僚議員4人と海外セミナーに出席し、セミナーへ参加費用をAT&Tやベライゾンなどの米通信会社から支援を受けた。ランゲル議員は、企業からの後援とは知らなかったと釈明したが、倫理委員会は認めなかった。倫理委の決定が出た3月、ランゲル議員は歳入委員長職を辞任した。これとは別に、倫理委は収入漏れや原油会社への税金恩恵など、ほかの規定違反事項についても2年間調査を進めている。
◆わが国のように、議員らが税金や企業からの後援を受けて、外遊性海外視察を行うのは、米国では想像すらできないことだ。議員が受け取ることのできるプレゼントの範囲も決まっている。年間100ドル限度内で、50ドル未満のもののみ可能だ。高価のペンやクリスタルは受け取ることができないし、野球帽やTシャツはいい。企業のレセプションでは食事すらできない。「度が過ぎる」という世論が起きると00年、「レセプションは例外」の規定ができ、ドーナツやコーヒー、ポテトチップスは食べることができるようになった。そのような空気であり、海外セミナーや費用を企業に肩代わりさせたランゲル議員の行為は、中間選挙の勢力図に影響を及ぼすほどの重大事件に間違いない。
◆韓国人の愛国者が死んで天国に行った。平素、彼を殊勝だと思っていた神様が、願い事を尋ねた。「韓国がワールドカップで優勝できますように」。神様は難色を示し、「それはほかの国に対し、フェアじゃない」とし、ほかの願いごとを聞いた。「クリーンな政治家10人が統治するようにしてください」。しばらく悩んでいた神様が語った。「ワールドカップのベスト4入りではだめか?」。笑い話だが、笑ってばかりいられない現実を風刺した物語だ。我々の政治家は、さまざまな腐敗指数の調査でトップを記録している。米下院議員の任期は2年だ。20選=40年間の議員生活を送ったランゲル議員の墜落に、我が国会議員らは恥ずかしさを感じるべきだ。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com