北朝鮮の芸術公演「アリラン」に、今年は中国との友情を強調する内容が初めて含まれ、その背景をめぐって様々な憶測が流れている。また、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者とされる三男のジョンウン氏を間接的に宣伝する内容も含まれ、注目される。
中国共産党の機関紙・人民日報は2日、平壌(ピョンヤン)の「5・1競技場」で行われた今年の芸術公演は、「友誼アリラン」というタイトルで中朝友好を強調する公演が加えられたと報じた。約3万人の観客が見守る中、「朝中友誼と鴨緑江(アプロクカン)の流れ永遠だ」、「朝中友誼の歴史は長く、これからも続く」などのマスゲームが行われた。また、公演者らが、中国の代表的な象徴であるパンドに扮装したり、中国の伝統民俗衣装を着て太鼓を演奏したと、上海市の党機関紙・解放日報の姉妹紙である新聞晨報が紹介した。
人民日報は、「北朝鮮は毎年、状況の変化を反映して公演内容の一部を修正する。今年は韓国戦争60年と中国の抗米支援軍の派遣60年を迎え、このような要素を加味したとみえる」と説明した。新聞晨報は、「天安(チョンアン)艦事件の調査結果に中国が同意しなかったことへの感謝の意味もあるという日本メディアの分析もある」と伝えた。AP通信は、「米国の金融制裁に対応して、公演内容が全体的に北朝鮮の内部結束を誇示する意味がある」と伝えた。
同日のアリラン公演には、コンピュータ数値制御を意味する「CNC」という言葉が登場した。4日、統一部によると、アリラン公演の開幕で、「CNC主体工業の威力」というスローガンがマスゲームで現われた。
北朝鮮は08年後半から、市内の看板や切手などでCNC工業を強調してきたが、アリラン公演にCNCのスローガンが登場したのは初めて。北朝鮮当局は、CNCの科学技術を重視するジョンウン氏の政治的功績だと宣伝している。
総10万人が参加するアリランで、CNCのスローガンが登場したのは、ジョンウン氏の後継構図を暗示しているという観測も流れている。李種珠(イ・ジョンジュ)統一部副報道官は、「北朝鮮が今年に入って、CNCが主体科学と主体技術の新たな成果だと強調している。CNCが北朝鮮の後継構図と関連があるという分析や見方がある」と話した。
アリラン公演は週4回、10月中旬まで続く。アリラン公演の入場料は、特等席が300ユーロ(約46万5000ウォン)、一般席は80〜150ユーロ。北朝鮮は、アリラン公演の観光客を誘致するために、6日から10月5日まで週2回、平壌・上海間の高麗航空便を一時的に運行する。東方早報は4日、中朝国境付近の遼寧省丹東市の中国国際旅行社の関係者の話として、最近、中国人観光客には北朝鮮側の要請によって、アリラン公演の観覧がコースに入っているという。
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