三星(サムスン)電子が2日に公開したタブレットパソコン「ギャラクシータブ」は7インチで、380グラムだ。アップルのアイパッドは9.7インチで680グラムだ。外観だけ見ても、両者がパソコンと携帯電話とを融合させた機器であるタブレットパソコンを、どう見ているかが分かる。スティーブ・ジョブズ・アップル最高経営者(CEO)は1月、ゆったりしたソファに体を沈め、アイパッドを紹介した。リビングで、パソコンの代わりに無線インターネットや音楽映画を楽しむことができることを示したのである。今回、トーマス・リヒター・三星電子欧州副社長は、上着のうちポケットからギャラクシータブを取り出した。自宅の外での持ち歩きやすさを強調したのである。
◆アップルがアイパッドを披露した時、後発走者らの追撃は容易ではなさそうだった。しかし、三星電子は、「見やすく、持ち運びの簡単なサイズ」である7インチを選択し、差別化を図った。ギャラクシータブは、アイパッドを追随するのではなく、新しいタブレットパソコン市場を開拓したという評価を受ければ、三星電子としては成功である。スマートフォンやタブレットパソコンに続き、1、2年後と予告されているスマートテレビを巡って、展開されている「アイ(i)軍団」と「ギャラクシー軍団」による「スマートを巡る大戦」が日増しに熱を帯びている。
◆世界の電子業界も、手を拱いてばかりいるのではない。日本の東芝は、欧州や中国市場を狙って、10.1インチのものを披露した。米国や台湾メーカーも、新製品を準備している。国内ではKTが10日、7インチのアイデンティティタブを発売し、LG電子は、年内に新製品を発売する目標を掲げている。アイステーションは、3Dの5インチを公開した。一方、アップルは、次世代アイパッドを準備しており、三星電子は、消費者の好みに合わせ、様々なサイズのギャラクシータブを出す計画だ。
◆タブレットパソコンの成功は、機器の成功よりは水準の高いコンテンツを、どれだけ多様に提供できるかにかかっている。音楽や電子書籍、ゲーム、動画のようなコンテンツを開発したり、提携を通じて確保してこそ、今回の戦いやもとより、スマートテレビを巡る戦いでも優位に立つことができる。タブレットパソコンが大量に販売されると、アニメ会社の株価が値上がりするのも、このためである。アプリ(アプリケーション・応用プログラム)の多様性も重要な評価指標だが、現在は、先に発売されたアイパッドが優勢を見せている。「スマート大戦」を巡り、機械(ハード)の戦いも無視できないが、想像力やコンテンツを巡る戦いがさらに重要になっていく。
洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com