予備役将校訓練課程(ROTC)を卒業し、将校として軍隊に入ったあるネットユーザーは、「将校になった6つの理由」として、給料や人脈、格好良さ、キャリア、経験、名誉を取り上げた。最近の若者らしく、大変実利的な将校観を示している。ネットユーザーは、服務期間の2年4ヵ月間、5000万ウォンを稼ぐことができるという計算を示した。小隊長を歴任したあるネットユーザーは、「将校生活をうまくやりこなす術」という書き込みの中で、「分隊長や兵長らの協力が、小隊指揮においては不可欠だ。全ての意思決定は、副小隊長や分隊長の意見を聞いてから行うべきだ」とアドバイスした。同年代の人々を指揮しなければならない小隊長としての、難しさも少なくないだろう。
◆代表的な初級将校の鏡としては、姜在求(カン・ジェグ)、李仁浩(イ・インホ)少佐が上げられている。陸士16期生の姜在求は1965年、ベトナムに派兵された猛虎(メンホ)部隊の中隊長に選ばれ、手榴弾を投げる訓練を行っていたところ、部下の私兵が誤って投げ出した手榴弾を体で覆い、100人余りの命を救って散った。海軍士官学校11期生の李仁浩は、海兵の青龍(チョンヨン)部隊の一員としてベトナム戦に参戦し、1966年、洞窟捜索作戦中に、ベトナム共産軍が投げ出した手榴弾を体で覆い、部下らを救い、殉職した。2人の英雄は、大尉の階級をつけて死亡したが、永遠なる初級将校の花として生きている。
◆大学を卒業し、将校として入隊するROTCと学士将校の人気が最近、激減している。昨年は、陸軍の学士将校志願の競争倍率が初めて定員を割り、0.7倍を記録した。ROTCも同様に、昨年2倍の水準へと下落した。理由は簡単だ。服務期間が、学士将校は3年5ヵ月間、ROTCは2年4ヵ月間と、私兵の服務期間の21〜22ヵ月よりさらに長いためだ。私兵の服務期間の過度な短縮がもたらした結果だ。将校が足りず、一部の将校の役職を副士官に任せることまで現れている。我が軍のもう一つの危機要因となっている。
◆軍隊の死活問題は、橋渡しの役割を果たす初級将校らにかかっている。初級将校は、私兵らの教育訓練はもとより、相談者、兄や両親の役割まで果たさなければならない。事故でも起きれば、厳しい指揮監督の責任が問われる。副士官や私兵らを直接指揮するためには特に、リーダーシップや責任感、犠牲精神が求められる。数ヵ月間、あるいは1年ぐらいさらに軍隊生活を送るからといって、単に損していると考えることではない。将校として軍生活を送る過程で身につけた名誉意識やリーダーシップは、社会に出ても大切な資質になりかねない。
陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com