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[オピニオン]「4億ウォンのブランド女」の煽情主義

[オピニオン]「4億ウォンのブランド女」の煽情主義

Posted September. 15, 2010 07:46,   

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国内メディアにもよく登場するパリス・ヒルトンの職業は、いったい何なのだろうか。ヒルトンホテルを所有するヒルトン家の相続者として紹介されるが、相続者は職業ではない。たまには広告モデルとして働くが、職業的モデルではない。映画に出演したこともないので、映画俳優でもない。にもかかわらず、彼女が有名なのは、贅沢かつ奔放な生活で、人々に対し、絶えず話題を提供しているためだ。彼女がいなければ、世界のパパラッチは餓死するだろうという言葉まで出るほどだ。

◆今月7日、ケーブルテレビ「m.net」の番組「テントインザシティ」で、「今、体にまとっているものだけでも4億ウォン」と言い、視聴者らを驚かせた金ギョンア氏が、ヒルトンに劣らぬほど話題の中心に立っている。これといった職業もなく、数億ウォン代のブランド品を、両親からもらった小遣いで購入したという彼女の発言は、経済危機の中でも真面目に生きている大勢の人々に、むなしさを抱かせた。一部のネットユーザーらは「両親からもらった金で豪華な生活を送っているなら、贈与税を課すべきではないか」と、国税庁宛に苦情を寄せた。「公正な社会」を強調している雰囲気の中で、国税庁は税務調査を行う考えを明らかにした。

◆一時、日本に滞在していた金さんは、メディアとのインタビューで、「テレビ局から言われる通りに台本を読み上げた」と暴露し、事態は両者間の真実を巡る攻防戦へと移る様相を見せている。金氏は、自分の職業はモデルなのに、放送では「無職」と言いふらし、収録の際に身にまとったブランド品も、作家らから4億ウォンといわれるように仕込まれたと主張している。m.netの制作チームは、「金氏は、製作チームが『ごまかすことの』できる水準を超えている人だ」として、関連主張を否定した。

◆地上波の「恐竜」が放送を事実上支配している中、各ケーブルテレビ局は、隙間市場を取るため、奇抜な内容で勝負せざるを得ない。「男女生活探求」や「スーパースターK」のような番組は、ケーブルテレビの成功例に挙げられている。さらに、視聴率を上げるのに最も有効な煽情主義にがむしゃらにすがりつくことになる。今年8月、tvNの「火星人ウィルス」は、日本東京の有名なうどん屋での昼食のために、日帰りで日本に行く女性を登場させた。それよりさらにひどい「ブランド女」を出演させて視聴者の目を引こうとするm.netの欲張りが、今回の事態を招いたのではないか、ケーブルテレビの自省が必要な時期に来ている。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com