今度は韓国の娘たちがやった。中米のトリニダードトバゴで行われた17歳以下(U−17)女子W杯決勝で韓国は女子サッカーの強豪、日本を延長戦に次ぐPK戦の末、5−4で下して優勝した。国際サッカー連盟(FIFA)が主催する第2回大会の優勝という誇らしい記録が樹立される瞬間、我々はまたも大韓民国の可能性を見た。
韓国は前半6分、イ・ジョンウンが先制ゴールを決めたものの、試合内容は日本にリードされる形勢だった。後半2−3で出遅れた状況で途中出場したイ・ソダムは中盤で見事なミドルシュートで勝負を延長戦に持ち込んだ。日曜日の朝、手に汗を握らせるPK戦で5−4で勝利する場面を見守った国民は目頭が赤くなった。我々は今年、金妍兒(キム・ヨナ)に続き、「国民の妹」を数人得た。抜群のストライカー、ヨ・ミンジは、得点王と最優秀選手賞を獲得し「スター誕生」を予告した。PK戦で最後のゴールを入れたチャン・スルギはもう1人の英雄になった。
韓国女性サッカーの劣悪な底辺を考慮したら、世界制覇は奇跡としか言いようがない。1990年、北京アジア大会に参加するために急造された女子サッカーチームは、デビュー戦で日本に1−13という恥辱的な成績で敗れた。昨日の対日戦の勝利は20年ぶりの雪辱だった。他の分野でも日本は越えられない壁ではない。
国内の女子サッカーチームは高校16チームを含めて計65チームしかない。体系的な早期教育、自律と共感のリーダーシップ、サッカーを楽しむことができる新世代娘たちの登場がせめての希望だった。選手らは子どもの時から幼少年チームでサッカーの基本技と戦略戦術を身に付けた。U−17女子W杯出場選手らは早期教育を通じて韓国サッカーの長年の弱点とされた「決定力不足」を克服した。敏感な思春期の娘たち暖かくて感性的なリーダーシップで采配したチェ・ドクジュ監督の功労も大きかった。
「サッカーは男だけの運動」という認識が支配的だった時代、9歳前後の少女たちは02年W杯を見ながら自分たちのグラウンドに飛び込んだ。朴智星(パク・チソン)選手が世界的なスターに成長する姿を目にしながら、もっと汗を流した。先進国入りを目の前にしている大韓民国の新世代らしく、どのような状況でもいじけることなく、自信に満ちた堂々とした姿で試合に臨んだ。選手たちはどのような不利な状況でもペースを失うことがなかった。
現代でスポーツは国力の象徴だった。投資と支援なしには良い成果を期待できない。我々と身体能力が似ている日本と北朝鮮の善戦に刺激された大韓サッカー協会の投資も一役買った。サッカーは個人の技量だけでなく、組織力とチームワークが求められる試合であるだけに、今回の結果はさらに意味深い。今度の勝利を目にして、我々は個人であれ企業であれ国であれ、どのような状況でも諦めず頑張り続けると良い結果が得られるということを改めて信じることになる。