軍当局が、天安(チョンアン)艦沈没事件当日の3月26日午前、北朝鮮のヨンオ級潜水艇と支援母船の移動の事実を把握していたにもかかわらず、対応措置を取らなかったことが分かった。ヨンオ級潜水艇は、軍民合同調査団が天安艦に魚雷を発射したと推定した北朝鮮潜水艇と同型だ。
国会国防委員会所属の辛鶴用(シン・ハクヨン)民主党議員は4日、国防部への国政監査で、天安艦沈没当日の第2艦隊の情報ネットワークの交信内容を公開し、「当日午前6時45分、第2艦隊司令部が全艦隊に、「南浦(ナムポ)でヨンオ級潜水艇1隻、海州(ヘジュ)で支援母船4隻、南浦で支援母船2隻が未識別中」という情報を伝え、沈没直前の午後8時45分には、「北朝鮮が長山串(チャンサンゴッ)、吾叉鎮里(オチャジンリ)、ヒヨプトなどで、海岸砲10門を配置」しているという情報を発令したにもかかわらず、軍は警戒態勢などの措置を取らなかった」と指摘した。
これに対して、金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は、「敵の潜水艦や潜水艇は、1年中かなりの期間にわたって訓練をしても(潜水状態にあるため)識別されず、海岸砲(の配置)も09年11月の挑発以降、常に観測されてきた。9・11テロ当時、米国にあのようなことが起こると予見できただろうか。今は北朝鮮の魚雷攻撃であることが分かっているので言えるが、当時は深刻な脅威であると判断することは容易ではなかった」と主張した。
また、「中国漁船が現れると戦闘態勢を発令したが、北朝鮮の潜水艇に対しては何の措置も取らなかった」という辛議員の指摘に対し、金長官は、「西海(ソヘ・黄海)の北方限界線(NLL)を越えた中国漁船を統制しようとする北朝鮮警備艇がNLLを侵犯し、これに対応するために戦闘配置を発令し、解除した」と説明した。
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