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[オピニオン]グラッドウェルのSNS批判

[オピニオン]グラッドウェルのSNS批判

Posted October. 07, 2010 02:59,   

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ツイッターが広く知られるようになったのは昨年6月、イランの反政府デモの際、民兵隊の銃に撃たれ、死亡した女子大生の事件だった。イラン政府は、新聞と放送を含む全ての媒体を統制したが、事件はツイッターというソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じ、瞬時に世界中へ広がった。ジョージ・W・ブッシュ大統領の安保補佐官を務めたマーク・ペイフル氏は、ツイッターの役割が浮上した当時、「ツイッターがなかったら、イラン国民は自由と民主主義のために立ち上がることができなかったはず」と述べ、ツイッターにノーベル平和賞を授与すべきと主張した。

◆ツイッターやフェイスブックのようなソーシャル・メディアが、真に社会変革のための先鋒役を担うことができるだろうか。スマートホン普及と共にSNSユーザーが急増し、ツイッター加入者は世界で1億5000万人、フェイスブック加入者は5億人を越えた。加入者数で見れば、可能なようにみえる。しかし、懐疑論もある。カナダ生まれの言論人で、ベストセラー作家でもあるマルコム・グラッドウェルは最近、「ソーシャル・メディアは中央権威や指導者でもなければ、結束力の弱い寄せ集めに過ぎない」とザ・ニューヨーカー誌の最新号で主張し、議論を巻き起こした。

◆ツイッターは、現実にはほとんど会えない人々の考えや感想をリアルタイムで見ることができる。フェイスブックでは、一度も会ったことのない数百人と「友だち」になれる。しかし、サイバー上の弱い関係の中、自分のお金、時間、経歴、命をかけるほどの比重と価値を持った懸案に対し、問題意識を共有し、これを解決するために結束力を発揮するのは難しいというのが、グラッドウェルの考えだ。

◆しかし、我々の状況はやや違うようだ。延世(ヨンセ)大学のユン・ヨンチョル教授は、「韓国人は、SNSで同質の者同士が集まる傾向がある」と指摘する。SNSで多様な人々と会い、反対意見まで交わす外国とは異なり、我々は最初から似た考え方を持つ同士がコミュニティを結成し、情報を共有するということだ。歌手タブロの「スタンフォード大学卒業」の真偽について議論に火をつけたネットユーザーの集まり「タブロに真実を求めます」が代表的だ。グラッドウェルが、韓国のネットユーザーについて踏み込んだ研究をした後も、このような主張ができたのだろうか、気になるところだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com