海兵隊所属部隊の参謀長からセクハラを受けた後、民間病院で治療を受け、病気により除隊した李某氏(22)が、当時受けた精神的ショックで、記憶喪失症状に苦しんでいることが分かった。
李氏の弁護人側は14日、海兵隊司令部の軍事裁判所で開かれた2次公判で、「李氏が主治医から、『完結的な解離性記憶障害』との診断を受けた」と明らかにした。解離性記憶障害とは、脳の異常ではなく、精神的なショックなどの心理的理由から現れる記憶喪失症だ。
実際、同日行われた2次裁判で、李氏は、事件当時の情況を全く供述できなかった。李氏は、被告人の参謀長であるオ某大佐(47)の弁護人による尋問だけでなく、警察の尋問に対しても、「思い出せない」とだけ答えた。李氏は、自分が作成した供述書の自筆署名を確認した後、「供述書に書かれているなら、その内容は正しいだろう」とだけ答えた。
現在、李氏は、このような記憶喪失が、現れたり無くなったりなどの症状が、たびたび起きているという。軍人権センター側は、「李氏は自分の住民登録番号や、通っていた大学の名前、自宅への道順などを思い出せず、しばらくして再び思い出すなど、記憶喪失の症状がたびたび現れている」とし、「李氏がセクハラ事件により、深刻な後遺症に苦しんでいる証拠だ」と主張した。これに先立ち、弁護人は、李氏への尋問を非公開にするかどうかや、李氏の元彼女の証人採択などについても攻防を繰り広げた。李氏の尋問は結局、公開に行われ、彼女の証人採択の問題は、裁判部が後ほど判断することになった。
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