「コエックス内の非常階段や地下駐車場、エレベーターなど、考えられるあらゆる場所に警察を配置した」。主要20ヵ国・地域(G20)ソウル首脳会議を明日に控えた10日、会場のソウル江南区三成洞(カンナムク・サムソンドン)のコエックスは、都心の中の「要塞」と化した。コエックス周囲には二重安全フェンスが設置され、地上には装甲車や1000人余りの警察官、空からはヘリコプターが、徹底した警備のため、動員された。
●「コエックス・キャッスル」、二重フェンスの鉄の城
警察とG20警護安全統制団は、9日の夜10時から10日午前6時までの間、アセム路や奉恩寺路を始め、永東大路やテヘラン路など、コエックスと貿易センターの周辺に、高さ2メートルの緑色の鉄製フェンスを設置した。各道路が接する地点と横断歩道区間は、市民の便宜を図り、交通と出入りが規制される12日午前0時から設置する予定だ。10日朝、出勤途中の市民らは、夜中にできたフェンスを珍しそうに見ていた。横断歩道に立ち、記念写真を撮っていた会社員の李ヨンソクさん(43)は、「少し圧迫感はあるが、不祥事に備えて必要な措置だと思う」と話した。
警察は、10日午後10時から、コエックスの建物を囲む「伝統塀型フェンス」を設置した。警察関係者は、「韓国固有の伝統模様が描かれており、鉄製フェンスよりも多少は殺伐とした感じを抑えられるだろう。市民の不便を最小限にするため、当初、コエックスから半径600メートルに設置予定だった『塀ライン』は、状況によって可変的に使用する計画だ」と説明した。
●コエックスを守る「兵士」
警察庁は、G20警備のため、甲号非常令を発動し、全国で約5万人の警察官が動員された。このうち、コエックスに配置された警察官は、機動警察隊を除いても1000人にのぼる。彼らは、500人ずつ1日2交替で、コエックスや三成駅、京畿(キョンギ)高校の交差点一帯を警備している。三成駅地下構内やコエックス・モールなど、コエックス外のテロ脆弱地点約3000ヵ所も、警察の主要警備区域だ。特に、防弾チョッキを身につけた警察特攻隊員は、機関銃などの重火器を持ち、24時間体制の警戒勤務をしている。電気で移動する警察の三輪スクーターは、地上の会場とコエックス・モールを巡査し、爆発物探知の訓練を受けた警察特攻隊や軍所属の特殊探知犬数十匹も、コエックスの検索台や三成駅、宣陵駅などで、テロに備えている。探知犬は、先月から導入され、夜は警察バスの貨物室で寝る。一方、このような物々しい警備の中でも、この日も1人デモがあった。前日の外国の動物保護団体のヌードデモに続き、10日午後には、「アフリカ放送の司会者と結婚したい」と、プラカードを持ったある男性が、30分間、1人でデモをするハプニングが起きた。
●清掃に清掃・・・会場に祈祷室も
公務員は「清掃」非常事態となった。特に、週末に降った雨で、コエックス一帯が落葉で覆われ、江南区庁は「落葉担当チーム」を編成し、会場周辺を何度も清掃した。江南区庁は、路面清掃車12台のうち、6台をコエックスに配置し、毎朝、道路の清掃をしている。区庁関係者は、「週2回だった路面清掃の回数を7回に増やした。未明に水をまけば、朝の出勤時間にほこりがあまり立たず、落葉も清掃できる」と話した。区庁の蚊の防疫チームも、24時間体制で勤務し、首脳の宿泊先や会場付近に蚊の発生という報告がくると、直ちに出動し、防疫処理を行う。G20首脳会議のために訪韓した外国人のための細心な配慮も注目される。政府は、円滑な推進のため、全ての会議参加国の言語(15ヵ国語)の通訳を配置した。また、1日に5回祈祷しなければならないイスラム圏関係者のために、祈祷室も設けた。G20首脳会議準備委員会関係者は、「今回のG20会議は、韓国の文化、科学技術、食べ物などを世界に伝える絶好の機会だ。G20加盟国関係者や国際機構職員、記者など、国際社会を率いるエリートに深い印象を残せるようにする」と話した。
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